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建通新聞社(静岡)
2025/01/15

【静岡】静岡県 新図書館新築 条件見直し再公告へ 

 静岡県は、入札が不調となった新県立中央図書館の新築工事について、2025年6月ごろをめどに再公告する考えだ。不調となった際に実施したゼネコンへのヒアリングの結果を参考に、再公告時は公告期間を長く設定する他、入札参加条件の見直しなども検討する。完成予定時期については、28年1月から28年10月以降に変更する。
 新県立中央図書館の新築は、10月18日に公告、同月21日に入札参加申請の受け付けを開始したものの、申請期限の11月12日までに参加者がなく、不調となった。この結果を受けて県は、この要因を県内外の大手ゼネコンにヒアリングした。
 ヒアリングでは、施工者が民間工事を優先するため公共工事の参加を見送る傾向が全国的に広がっていることや、大規模工事には入札価格の算出に時間がかかることなどの意見が寄せられた。3者JVを設定した入札参加条件については、全国大手ゼネコンは「少数でも良い」とした一方で、県内大手ゼネコンは「4者のほうが参加しやすい」と回答するなど、相反する考えを持っていることも分かった=表。
 スケジュールの変更に伴い、新図書館の建築工事費として9月補正予算に計上していた限度額267億9800万円(24〜27年度)のゼロ債務負担行為を廃止する予定。総事業費として想定していた298億円については現予算規模を維持する方針を示している一方で、再公告までの間に物価が高騰することを考慮し、一部の機能を見直す考え。具体的な内容は今後詰めるものの、ペデストリアンデッキ整備の取りやめなどを想定している。
 再公告に当たっては、公告から開札までに十分な期間を確保する他、施工者が受注しやすい条件とするべく着手日選択型工事方式の採用を検討し、JV組成数も見直す考え。
 また、ヒアリングで寄せられた「工事難易度が高そうな印象」や「スライド条項による増額変更に対して、発注者が適正に増額するかが不安」などの意見に対しては、説明会を実施して不安を取り除く考え。説明会は3〜4月をめどに開催する。
 これまでに計画していた新図書館の規模は、鉄骨造9階建て延べ約1万9800平方b。1〜2階にセミナールームや多目的ホール、カフェなどの「新しいタイプの図書館機能」、2〜9階に従来機能を配置するとしていた。内装や外装に県産木材500立方bを活用し、3階部分にペデストリアンデッキを設けてJR東静岡駅とつなげる計画だった。建設地は静岡市駿河区東静岡2丁目の敷地2万4300平方b。


提供:建通新聞社



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