大津市管財課庁舎整備室はこのほど、皇子山総合運動公園の一部を前提として建て替えが検討されている市役所庁舎(御陵町)について、4案の建替えパターンを明らかにした。今後は、懇話会のなかで意見聴取の結果も踏まえ、パターンの見直しや絞り込みを行う。
4案の内容は、@ピロティ駐車場案(建築面積:大)整備費用は204・1〜246・3億円、A立体駐車場案(建築面積:中)整備費用が211・9〜252・9億円と一番高く、B平面駐車場案(建築面積:小)整備費用は201・6〜243億円、C庁舎デッキなし案(建築面積:小をべース)整備費用は193・4〜236・5億円と最も少ない。2階フロアとデッキを介した公園との一体利用となることから、駐車場への通路の配置を見直し、庁舎周辺に広場を設けることで1階フロアとの一体利用を想定した庁舎デッキを設けないパターンを加えた、4パターンをたたき台に検討していく。
また、今後のスケジュールについては、1月末に素案、同年3月末をメドに同案を決定し、同年6月末に基本計画を策定する。また、25年度早期にはパブリックコメントによる意見募集を行う予定とし、公園整備に係るスケジュールは別途整理を行っていく。
庁舎整備基本計画の構成は、▽基本計画方針の整理(庁舎整備、庁舎周辺整備、代替公園整備、現庁舎、跡地等に関する基本的な考え方)、▽新庁舎の導入機能・性能の検討、▽新庁舎の規模の検討、▽施設計画の検討(配置計画、建築計画、構造計画、設備計画、外構計画)。
そのほかに、事業計画については、▽概算事業費及び財源の検討(庁舎整備等にかかるイニシャルコスト、ランニングコスト、財源計画の検討)、▽事業スケジュールの検討(基本計画を策定後、発注を予定している基本・実施設計から工事、供用開始までの事業スケジュールの作成、▽事業手法の比較検討(事業手法・分離発注方式、デザインビルド方式、PFI方式等について比較・検討)、▽設計者等選定方式の比較検討(設計者等選定にあたり、プロポーザル方式やコンペティション方式、競争入札方式、その他方式についての比較・検討)―。
同市では、建て替えが検討されている市役所庁舎(御陵町)の移転先として皇子山総合運動公園の多目的広場を前提に、基本計画策定に取り掛かっており、都市計画変更、公園機能の代替措置として同等規模及び機能の確保、既存の公園との一体性の調査・検証し、公園と一体となった庁舎整備によるまちづくりについて検討。また、明日都浜大津の活用についても視野に入れ、新館については、企業局を中心とした活用の検討と併せて、同局が活用する以外の床の活用についても検討を進めている。
現在の同市庁舎は、本館がSRC造5階建地下1階、延1万5160平方bで、1967年完成。別館はSRC造3階建地下1階、延6251平方bで、1971年完成。新館については、SRC造7階建地下1階、延1万0948平方bで、1989年完成。第2別館はRC造2階建地下1階、延1273平方bの1993年完成。
なお、大津市庁舎整備基本計画策定は、日建設計大阪オフィス(大阪市中央区)が担当している。
提供:滋賀産業新聞