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建通新聞社(岡山)
2025/01/15

【岡山】岡山河川 倉敷市酒津地区の堤防強化と堰改築など

 高梁川の治水安全度を向上させるため、倉敷市酒津地区の堤防強化と堰改築などに伴う設計に国土交通省岡山河川事務所は着手している。整備区間内にある「酒津取水樋門」は1920〜21年に設置され、国の重要文化財にも指定されているため、その整備方針などについては有識者らで検討会を立ち上げ、議論を重ねている。
 酒津地区の高梁川は左岸側が湾曲しており、その背後に倉敷市街地が広がっている。左岸堤防などに浸透や浸食が見られるため、堤防強化とともに「笠井堰」の部分改築と併せ、酒津取水樋門の改修などが急務となっている現状だ。
 計画されている具体的な工事の内容については、浸透対策として川表の堤防を盛土し、遮水シートで覆う他、川裏では押さえ盛土とともにドレーン(空石積み護岸と吸出し防止材)を施す。浸食対策として幅30bの高水敷を整備する。整備区間は約2`。
 また、酒津取水樋門の整備案については、移築などはせず現況の位置のままで改修するとし、断面の拡幅は行わず、樋門上部の護岸や遮水矢板の設置とともに上下流の断面を擦り付けることで、重要文化財への工事の影響を最小限に抑える考えでいる。
 2024年12月には3回目の検討会を開き、これまでの審議内容を取りまとめた。当日、岡山河川事務所の垣原清次所長は「出水期が明けているにも関わらず、11月の大雨では高梁川の水位が上昇した。気候変動に対応した河川整備の必要を一層感じており、検討会の方針に沿った事業の進捗を図る」と述べた。

提供:建通新聞社