日本工業経済新聞社(群馬)
2025/01/06
【群馬】2025年の群馬県事業
2025年、新たな年がスタートした。昨年12月に可決した国補正予算を受け、県内へ配分された補助事業費は219億6500万円。県においては今後、工事発注に向けて調整が進められる。県土整備部に目を向けると、注目すべきは新たな県土整備プランの策定といえる。4月からは新たなプランに沿って各種事業が展開されるなど、未来に向けた動きが本格化する。
【12月補正予算】
12月に可決した国の補正予算について、国土交通省は国補正予算が可決されたことを受け、各事業への配分額を明らかにした。このうち、群馬県内へ配分された補助事業費は219億6500万円。県内に係る道路局の直轄工事では、太田市から前橋市を結ぶ国道17号上武道路の整備費を確保するなど、総額で46億7100万円を計上した。水管理・国土保全局については県内に係る直轄事業費として共同費などを含め総額53億5913万円を割り当てた。今後、県県土整備部では、各種工事発注を目指し調整を進めていく。
【次期県土整備プラン】
次期県土整備プランでは道路、橋梁、河川事業を含む新規の8つの中心的なプロジェクトを計画期間内に「着手する事業」に格上げする方針としている。対象となるのは◇主要地方道熊谷館林線利根川新橋(赤岩)整備(千代田町)◇県庁〜前橋駅クリエイティブシティ構想(前橋市)◇上信自動車道嬬恋バイパス整備(嬬恋村)◇利根川前橋・高崎・玉村工区河川改修(前橋市・高崎市・玉村町)◇主要地方道前橋長瀞線柳瀬橋老朽橋架替(高崎市・藤岡市)◇主要地方道桐生伊勢崎線バイパス整備(伊勢崎市)◇主要地方道前橋伊香保線吉岡バイパス整備(渋川市・吉岡町)◇一般県道太田桐生線バイパス整備(太田市・桐生市)−。
主要地方道熊谷館林線利根川新橋(赤岩)整備は、千代田町と埼玉県熊谷市を結ぶ新しい橋梁を整備する事業。現状、橋梁間隔が約10qと広く、朝夕を中心に渋滞が発生している。本橋の整備により、渋滞緩和や物流の効率化、通勤環境の改善が図られ、東毛地域のさらなる経済発展が期待される。
県庁〜前橋駅クリエイティブシティ構想では、公共交通と人中心のウォーカブルな道路空間に再編する。GunMaaSや自動運転など新たなモビリティサービスにも対応した、群馬らしい独自の価値を創造し、にぎわいとふれあいのある街づくりを推進する。昨年10月には世界コンペで都市デザインを公募、地元の意見聴取や公開プレゼンなどを経て、最優秀作品を決定する予定としている。
上信自動車道嬬恋バイパス整備は、嬬恋村内の約12q区間で高規格道路を整備。また、利根川前橋・高崎・玉村工区河川改修については、事業を推進している利根川(伊勢崎・玉村工区)に連続する上流約6q区間の河川を改修する。
主要地方道前橋長瀞線柳瀬橋老朽橋架け替え事業では、高崎市側で事業中の4車線化工事と連続して橋梁部の4車線化を図る。
主要地方道桐生伊勢崎線バイパス整備は、伊勢崎市内の約1・6q区間が対象。市の目指すウォーカブルでにぎわいのある魅力的なまちづくりを後押しする。
主要地方道前橋伊香保線吉岡バイパス整備では、吉岡町宮東交差点から北側に向かう約1・3q区間を対象に安全安心な通行空間の確保を目指す。
一般県道太田桐生線バイパス整備では、桐生市から太田市の北関東自動車道太田強戸スマートインターチェンジを結ぶバイパスを構築する。
これら8つのプロジェクトに加え、災害対応組織力の維持も新たに明記。気象災害の頻発化や大規模地震に備えた建設業の「災害対応組織力」強化にも重点を置く方針だ。群馬県建設業協会の青柳剛会長が提言した内容を踏まえ、地域ごとの「地域密着型事業量」を確保し、地域の安全を守る公共事業にも引き続き力を入れる。
【働き方改革も推進】
工事書類簡素化に向け県県土整備部は、新年度から国土交通省関東地方整備局と工事関係書類に関する記載内容の統一化を図ることを明らかにしている。働き方改革の一環として実施するもので、31ある様式のうち県が必要とする27種類で統一化する。