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建通新聞社
2025/01/06

【大阪】建設が進む万博会場を公開

 2025年大阪・関西万博の開幕まで100日を切った。工事の遅れが指摘されていた海外パビリオンでは、「タイプA」で出展する47カ国全てで着工。テーマ館などは完成間近のものもあり、4月の開幕に向け着々と整備が進んでいる。
 24年12月20日には、シグネチャーパビリオンや海外パビリオンの一部などの工事の進捗状況が報道陣に公開された。万博協会の科淳副事務総長は、「大屋根リングもつながり、海外パビリオンも建設が進んでいる。建設工事は軌道に乗っている」と話した。

■シグネチャーパビリオン8館 3月にも完成

 「いのち」をテーマに8人のプロデューサーが手掛けるシグネチャーパビリオンは、3月にも8館全てが完成する。このうち、「いのちを知る」をテーマとするパビリオン「いのちの動的平衡館」の内部が公開された。
 いのちの動的平衡館は、生物学者で作家の福岡伸一氏がプロデューサーを務める。構造はサスペンション膜一部鉄骨造平屋967平方b。
 パビリオンは巨大な細胞膜が大地に降り立ったような造形をしており、内部には柱が1本もない。膜屋根を支えるリング状の鉄骨と格子状に張り巡らされたケーブルとのバランスによって屋根を支えている。
 建築デザインを担当した橋本尚樹氏は「(パビリオン整備で培った)技術やノウハウを次の世代にも残していきたい」と話した。
 パビリオン内部には、直径10b、全周30bの立体スクリーン「クラスラ」を設置。32万個の光の粒子が細胞分裂や「いのち」の姿をインスタレーションで描き出す。

■「残念石」を使用したトイレ 1月竣工

 万博会場には若手建築家が設計に携わった施設が20施設あり、そのうち「トイレ2」では大阪城再建に使うはずだった「残念石」と呼ばれる石が活用される。京都府木津川市から運ばれた「残念石」は、高さが2・5〜3bで、重さは7〜13d。五つの石が屋根を支えている。
 設計は小林広美氏(Studio mikke一級建築士事務所)と大野宏氏(Studio on_site)、竹村優里佳氏(Yurica Design and Architecture)が共同で担当。グループの竹村氏は「今回の万博では、地域資源にフォーカスし、自らの身の回りにあるものの価値に気づくことができる万博になればいいと考える。石の持つ自然の迫力と400年前に切り出した人間の力を五感で感じてほしい」と万博への思いを語った。

■オランダパビリオン 循環型パビリオンを目指す

 オランダ王国が出展するパビリオンは、循環型のパビリオンと位置付けており、使用する資材一つ一つにIDナンバーを付与。デジタルパスポートに登録することで、閉幕後も材料がどのように再利用され廃棄量が削減されるかを把握することができるとしている。
 パビリオンの規模は、鉄骨一部システムトラス造2階建て延べ1023平方b。
 パビリオンのテーマは「コモングラウンド―新たな幕開け―」。資源不足と化石燃料依存からの脱却を目指し、再生可能なクリーンエネルギー技術について紹介。また、プラントベースの料理を提供するカフェやオランダ人デザイナーが手掛けるグッズを販売するショップなどを併設する。

■韓国パビリオン 外観に大型ディスプレー設置

 「タイプA」パビリオンの中で最大規模のの敷地面積を有する韓国パビリオンの規模は、鉄筋コンクリート造3階建て延べ2495平方b。外壁には、高さ10b、幅27bの大型ディスプレーが設置され、同国の文化などを発信する映像を上映する。
 パビリオン内は三つのエリアで構成。AI技術を活用し、来場者の声を素材にした作曲体験などを提供する。
 ※写真は建通新聞電子版に掲載中

提供:建通新聞社