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建通新聞社四国
2024/12/24

【愛媛】JR松山駅バスタPJ 県・市・事業者合意 

 集約型公共交通ターミナル「バスタ」をJR松山駅に整備する計画について、愛媛県と松山市、交通事業者の3者が合意に至った。12月18日に野志克仁松山市長と清水一郎県バス協会会長が県庁を訪問し、中村時広県知事に実現に向けた協力を要望した=写真。両者の要望を受け中村知事は、懸案の一つとしていた市と事業者の合意が確認できたとし、県としても協力する考えを示した。バスタ計画は現在、整備方針を示している状況で、今回の合意形成を受け、国に次の計画段階(事業計画作成)への移行を働き掛けていく。
 要望活動で野志市長は「12月市議会で建設費用や維持管理費、赤字の対応について理解を求め、交通事業者を代表して伊予鉄バスの清水社長にも施設の規模や発着料などについて方針を説明し同意を得られた」と報告。バスタ整備で「県都の陸の玄関口の市民や観光客の利便性を向上させたい」と理解を求めた。
 清水会長も「現実的な施設として平面で整備することやバス事業者の発着料負担の点でも市と合意した。事業者としてもバスタ整備を進めてほしい」と要請した。
 要望を受けて中村知事は「将来的な利用見込みを示し、利用する事業者の皆さんが一緒になって必要性を訴えてくれないと県議会に予算案を提示できなかった」とし、今回の合意を受けて「県としてもできる限り協力する」と応じた。一方で「まだまちづくり全体像の問題がある」とし、松山駅周辺のまちづくりも急ぐよう、改めて野志市長に要請した。
 バスタ計画については、昨年11月に国、県、市の連携で整備方針を策定。JR松山駅交通拠点機能強化検討会での議論を踏まえ▽バスやタクシーなど交通モード間の接続(モーダルコネクト)の強化▽伊予鉄道松山市駅とのアクセス強化など駅周辺地区の交通円滑化▽移動利便性・回遊性の向上▽災害時などの帰宅困難者の受け入れなど防災機能の導入▽官民連携―を盛り込んだ内容としていたが、中村知事がバス事業者のニーズや採算性の見通しに関して懸念を表明。10月に入って市と県バス協会がようやく合意し18日の3者合意となった。
 今回の県、市、事業者の合意形成を受けて、今後は年明けにも県・市が連携して事業推進を国に要望する考え。国の対応次第だが、順調に進めば年度内の計画段階への移行、25年度から事業主体の決定をはじめ、整備内容、スケジュールなどを盛り込んだバスタ事業計画の検討に入る見通しだ。事業認可を受ければ四国初の事業化となる。
 野志市長は市議会の答弁でバスタの建設費を30億〜40億円などと説明している。

提供:建通新聞社