食害ウニの商品化に取り組むウニノミクス(東京都 石田晋太郎社長)は25日、朝日町に国内3カ所目となる富山ウニ蓄養場を建設する、と発表した。町役場で開かれた記者会見には、石田社長や笹原靖直町長、新田八朗知事、町特命戦略推進監の藤野英人レオス・キャピタルワークス会長(オンライン)らが出席し、事業経緯や概要などを説明した。
計画では、町が造成している浜草野地区の用地約1万1000平方メートルに、ウニ畜養場3棟(床面積約5400平方メートル)を3期に分けて建設する。第1期ではウニ蓄養場1棟や加工場、事務所を2200平方メートルで、第2・3期はウニ蓄養場各1棟を1600平方メートルで建てる。第2期以降は、売上と近隣海域での協力の拡大を踏まえて順次実施する。総工費は約33億円。第1期は2025年4月以降に着工し、26年1月以降の完成を予定している。3棟で世界最大規模の年間360トンの生産を見込む。
近年、ウニが藻場を食い荒らし砂漠化する「磯焼け」が問題。同社は、身が少なく利用価値のない駆除ウニを漁協から買い取り、独自開発の配合飼料を与え蓄養し、8−12週間で出荷。藻場の回復も図り海洋保全にもつなげる。笹原町長は「持続可能なオリジナルのビジネスモデルを、朝日町から日本、世界に発信したい」と話していた。