東北地方環境事務所は、白神山地世界遺産センター藤里館の展示を改修するため、基本・実施設計を日本工営で進めている。着工は7年度の予定で、ICTの活用やデジタル展示の導入などにより分かりやすい展示に改修する。また、同様に展示改修を行う八幡平ビジターセンターの基本・実施設計を公告したが、入札参加がなかったため、早ければ7年度に再公告する。
展示の改修は、新型コロナウイルス感染症の位置付けが新型インフルエンザ等感染症(2類相当)から5類になり、訪日外国人が増加していることに対応するもの。今後も増加が予想されるインバウンド需要に備えるため、より分かりやすい展示に改修する。
藤里館(藤里町藤琴里栗63)は、全国初の世界自然遺産として登録された白神山地の南麓にある鉄筋コンクリート造一部木造(屋根)の平屋建て、床面積719.01uの施設。白神山地に生息する動植物の資料を展示・紹介しているほか、図書コーナー、DVD鑑賞スペースが設けられている。
八幡平ビジターセンター(鹿角市八幡平大沼2)は十和田八幡平国立公園内にあり、八幡平の自然をジオラマや映像で学ぶことができる施設。大沼遊歩道の入口に位置しているため、スタッフによる自然観察の無料ガイドも実施している。施設は鉄筋コンクリート造2階建て、延べ床面積801.61u規模。
両施設とも、グラフィックパネルなどの情報提供機能や学習機能について、機能向上を図ることが可能な既存展示物については再利用や更新を検討している。再利用できない展示物は撤去する方針。基本・実施設計では、館内の空きスペースを有効活用するため、全体配置計画も見直している。工事費は設計の公告時点で藤里館が3億円、八幡平ビジターセンターが2億円としていた。
提供:
秋田建設工業新聞社