県土木交通部技術管理課と県土木施工管理技士会(澤田旨巨会長)による意見交換会が23日、県建設会館(大津市におの浜1―1―18)で開かれ、「設計・積算」や「施工段階に関する事項」など公共事業に係る各種課題について双方の立場からの考え方や現場で起こっている問題点を共有、今後更なる密な情報交換を行い、より良い改善につなげることを確認した。
当日、県側からは西川忠課長をはじめ関係課から5名が、また技士会側から澤田会長、副会長、委員長ら15名が出席した。
意見交換は、技士会側が@設計・積算A設計変更に関する事項B施工段階に関する事項―の3点について質問する形で進行した。
それぞれの主な内容は次の通り。
◎設計・積算
建設労働力の不足や完全週休二日制を踏まえた準備工期間の確保と工期設定を―と技士会は要望。県は「現場の実情の把握に努めて問題解決へと進めたい。また、こういった現場の生の声を今後も発信して欲しい」とした。設計図書の精度向上や重要構造物に対する精度・対応の向上を求める声に対しては、「庁内で課題をしっかりと認識・共有し負担を減らせるよう協議していく」と応えた。
◎設計変更に関する事項
依頼日から見積提出日までの移管が短いと感じるため、充分な見積もり期間の設定をお願いしたいとの要望に対しては、「確認して適切な対応を行う」と返答。
◎施工段階に関する事項
受注者が円滑にICT活用工事を導入できるよう発注者の積極的な対応を求めた際は、「関連指針を確認し対応する」とし、打ち合せ簿の回答が担当者によって開きがあるため、早期の回答を周知して貰いたいとの要望については、「こちらも指針となるガイドラインに従い、職員の再教育や適切な対応を行う」と回答。
交換会が進み終盤に差し掛かった際、県側から「全体的に発注者側と受注者側の認識に差があると感じている。その要因の一つとしてコミュニケーション不足が様々な問題を招いているのではないか。書面での確認も大切だが、顔を合わせ話すことも今一度強化する必要があると思います。機会を設けるような体制を共に築けたら」と呼びかけた。
最後に、閉会に伴い澤田会長が、「円滑に工事を進めていく上で障がいとなっている制度や問題点など、現場の現状をお伝えしたことに対し、前向きなご意見を頂戴させて頂いたことに感謝申し上げます。多くのインフラ・ライフラインをこれからの子どもたちにつないでゆくために今後も議論・改善を図って頂き、我々技術者が担っている社会的役割と責任を今一度鑑みて頂き、より良い環境が構築できることを切に願っております」と、挨拶した。
提供:滋賀産業新聞