国土交通省近畿地方整備局は、2024年度第3回事業評価監視委員会(委員長・山田忠史京都大学教授)を開き、重点審議とされた由良川直轄河川改修事業、紀の川総合水系環境整備事業、一般国道2号神戸西バイパス(NEXCO西日本と合同審議)、一般国道8号野洲栗東バイパスの4事業に加え、一般国道42号すさみ串本道路・一般国道42号串本太地道路・一般国道42号新宮道路・一般国道42号新宮紀宝道路と一般国道2号大阪湾岸道路西伸部(六甲アイランド北〜駒栄)・臨港道路大阪湾岸道路西伸部(六甲アイランド北〜駒栄)・一般国道43号名神湾岸連絡線(阪神高速道路会社合同審議、NEXCO西日本委任審議)をそれぞれ一体評価で再評価を実施し、いずれも事業継続を妥当として原案通り承認した。
由良川直轄河川改修事業は、物価上昇で約14億円、現地条件の変更などにより約134億円、計148億円の事業費を増額する。今後、無堤区間(由良・石浦地区、並松地区、高畑地区)の堤防整備、中下流部の河道掘削、岩沢堤の堤防強化、栗村井堰改築を実施する。事業の進捗率は85%。
紀の川総合水系環境整備事業は新たに「二見地区かわまちづくり」の水辺整備を追加したために再評価を実施。25年度に二見地区かわまちづくりに着手し、34年度の事業完了を目指す。また、水環境整備の大門川浄化用導水事業についても工事着手に向け設計や関係機関との合意形成を進め26年度の事業完了を目指す。
一般国道2号神戸西バイパスは、用地取得、調査・設計・工事を進めており、事業進捗率は約71%。残りの区間(専用部6・9`、一般部3`)の事業を推進し、早期の開通を目指す。
一般国道8号野洲栗東バイパスは、物価の上昇やアスベスト処理量の増加、盛土材の土質改良などに伴い事業費を約323億円増額する。事業の進捗は約47%。調査設計や用地取得、改良工事、上下部工事、舗装工事などを進めており、早期の開通を目指して事業を推進する。
一般国道42号すさみ串本道路・一般国道42号串本太地道路・一般国道42号新宮道路・一般国道42号新宮紀宝道路は、物価の上昇で約307・7億円、トンネル施工に伴う対策工の追加で約100・1億円、橋梁基礎構造・工法の変更で約50億円、地質条件などによる橋梁構造の変更で約13・8億円を増額する。また、すさみ串本道路は、地盤のひび割れへの対策工法として基礎構造の変更を行うなどの対応が必要としている。
一般国道2号大阪湾岸道路西伸部(六甲アイランド北〜駒栄)・臨港道路大阪湾岸道路西伸部(六甲アイランド北〜駒栄)・一般国道43号名神湾岸連絡線は、物価上昇による資機材、労務費の増額、地質調査を踏まえた橋梁構造の見直しや橋梁形式の変更に伴う基礎の見直しなどにより事業費全体で約1740億円の増額となる。大阪湾岸道路西伸部の事業進捗率は約11%で、引き続き調査設計や用地取得、橋梁上下部工事などを推進する。名神湾岸道路連絡線の事業進捗率は約0・5%で、引き続き調査設計を推進する。
この他に、由良川床上浸水対策特別緊急事業(福知山地区)の事後評価を審議し、事業目的に見合った治水効果の発現が期待されるため今後の事業評価は必要ないとする対応方針を承認した。
※写真は建通新聞電子版に掲載中
提供:建通新聞社