日本工業経済新聞社(群馬)
2024/12/23
【群馬】ツムラは明和東部工業団地に新工場計画
【明和】漢方薬品メーカーのツムラ(東京都港区、加藤照和代表取締役社長CEO)は、明和東部工業団地のC区画で土地取得を18日に行い、新工場の建設を計画している。工場規模などは現段階では明らかにしておらず、設計業者および施工会社についてはこれから検討していくとした。新工場の操業開始は2029年度中を予定している。同社の県内への進出は初となり、国内第3の生産拠点の設立となる。
進出を行うのは同団地最大のC区画。土地取得面積は7・9haで、取得価額は約18億円としている。
建設を行うのはエキス粉末製造棟、造粒包装棟、品質管理棟、倉庫棟、事務棟、エネルギー棟など。漢方製剤の需要拡大に伴い、茨城県、静岡県に次ぐ国内第3の生産拠点となり、生産能力の増強および安定供給体制の確保を目指していく。生産品目はエキス粉末や顆粒、最終製品の漢方製剤となる。
同社では、茨城県稲敷郡阿見町および静岡県藤枝市の2つの生産拠点において、漢方製剤を生産している。漢方製剤の需要拡大に伴う生産能力の増強および安定供給体制の確保などの理由により、国内第3の生産拠点を構築する狙い。
また、茨城工場でも9月6日に起工式を開き、新棟の建設をスタート。第4SD棟を鹿島建設(東京都港区)と東レエンジニアリング(東京都港区)が担当、第3生産棟は鹿島建設が手掛ける。
明和東部工業団地での土地の取得を決定した理由については、交通利便性に優れており、人材の確保に期待が持てるほか、電気や水道などの生産インフラなどが十分であることをあげている。また、既存の生産物流拠点茨城工場、石岡センター(茨城県石岡市)、東日本物流センター(埼玉県久喜市)からのアクセスが良好であることや、各種サプライチェーンにおける各種リスク発生時の事業継続性などの考慮も要因となったという。
今回進出するC区画以外は、A区画(3・2ha)で契約に向けた調整を進めているほか、B区画はJR東日本リネン(東京都豊島区)が23年11月28日に土地を取得し、リネンサプライ工場の建設を岩堀建設工業(埼玉県川越市)が進めており、来年2月の竣工を目指している。また、D区画はスーパーレックス(神奈川県相模原市)が医薬品専用の物流センターの新設を25年1月20日を工期に進めている。施工は徳川組(邑楽町)、設計業務は武下一級建築士事務所(静岡県浜松市)が担当となる。
なお、現在造成整備中となるE区画(3・6ha)およびF区画(3・4ha)については、明和町が誘致を進めているところ。