静岡県は、多様な人材の活躍推進に向けて県内産業界と意見を交換する「産業人材確保・育成対策県民会議」を開催した=写真。建設業からは静岡県建設業協会が参加し、「ICTの推進による業界の変化を踏まえて、多様な人材を確保していく」考えを示した。
開会に当たり、静岡県の村松毅彦経済産業部長は、「人口減少が進む中、全ての産業で人手不足対策は待ったなしの状況。現場の実情を踏まえ、忌憚(きたん)なく提言をいただきたい」とあいさつした。
静岡県建設業協会の中村高徳主事は、「多様な人材の活用以前に、業界そのものが深刻な人手不足に直面している」とした上で、「協会員企業に実施したアンケートによれば、この10年間で女性や外国人の従事者が増えてきている」と現状を説明。多様な人材の確保に向けては、「ICT活用などで身体的負担が軽減できる点なども踏まえて、人材確保に努めたい」と語った。
また、建設業界への入職者が少ない要因について、「長時間労働や少ない休日が建設業界のイメージとして一般に浸透しており、若手世代が負の印象を持っているのではないか」と分析。週休2日制が拡大している現状や、ICTの推進による業界の変化なども踏まえ、「専門の学科を修めた者でなくとも働ける業界だということをアピールしていきたい」と述べた。
会議に出席した他の業界団体からは、女性管理職の登用や外国人材の活躍推進に向けて、「従来の考えにとらわれずに、経営者が思考を変えていくことが重要」と訴えた。
意見交換終了後に村松部長は、「働き方改革をハード、ソフト両面で支援する行政の体制が必要だと感じた。また、人口減少社会の中では、従来の考え方を転換していくことも重要だ」と総括した。
提供:建通新聞社