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日刊建設タイムズ社
2024/12/18

【千葉】約100億円投じ新工場/かずさアカデミアパークに/ペプチドリーム、PDRファーマ

 主に医薬品の研究開発を行うペプチドリーム梶i神奈川県川崎市川崎区殿町3―25―23)と、同社の100%子会社で放射性医薬品の研究開発・製造・販売を行うPDRファーマ梶i東京都中央区京橋2―14―1兼松ビルディング)は、約100億円を投じ、かずさアカデミアパーク生産2B区画(君津市かずさ小糸)約5・7haに「PDRファーマ叶逞tかずさアカデミアパーク工場(仮称)」を新設する計画だ。2025年1月の設計着手、26年6月の着工、28年10月の操業開始を見込んでいる。設計者、施工者、建築計画は未定。
 計画する事業内容は、次世代放射性医薬品の製造および研究開発。具体的には、ペプチドリーム鰍フ技術により開発されたペプチド化合物を用い、PDRファーマ鰍ェ放射性医薬品の製造を行う計画。
 生産品目は、Lu―177、がん細胞に対する高い殺傷効果が期待されるAc―225、より遠方への安定供給が可能となるCu−64などを使用した放射性医薬品。
 ペプチドリーム鰍ヘ「成田国際空港(成田空港)をはじめ、東京湾アクアラインを経由した東京国際空港(羽田空港)への空輸アクセス、また首都圏中央連絡自動車道(圏央道)やその他の主要幹線道路など、陸路アクセスを支える交通インフラが千葉県には整備されている」とし、かずさアカデミアパークの良好な交通アクセスを活用した高い生産性と安定供給を実現する構え。
 国内のみならず、将来的にはアジア・パシフィック地域への製品供給なども視野に入れ、国際的な医薬品製造基準に対応した製造キャパシティの拡充を計画している。
 
進出希望申出書/受領式を17日に
 
 17日に、かずさアカデミアパーク進出希望申出書の受領式が県庁本庁舎5階大会議室で行われ、熊谷俊人知事(かずさアカデミアパーク研究所等立地推進協議会会長)が両社連名による進出希望申出書を受領した。
 ペプチドリーム鰍フ金城聖文・取締役副社長CFOは「今後、次世代のがん治療薬を中心として数多くの医薬品を世に送り届けていきたいと考えており、かずさアカデミアパークに建設を予定している新たな製造拠点・研究所が非常に重要な役割を果たす」との見方を示した。
 PDRファーマ鰍フ村上雅人・代表取締役社長は「成田空港、山武市にある工場、東京湾アクアラインを通じた羽田空港の中心に位置するかずさアカデミアパークは、製造・デリバリーに最適な地区。ここに進出できること、最先端の薬を多くの患者に届けられることを非常に喜んでいる」と述べた。
 熊谷知事は、かずさアカデミアパークについて「東京湾アクアラインの着岸地であり、羽田空港、成田空港の両方へのアクセスが良い非常に重要な拠点。26年度に圏央道の全線開通が見込まれ、成田とのアクセスがダブルネットワークという形で強化される」と評価し、「革新的な独自の創薬技術によって画期的な医薬品の開発を行う有望な企業が立地し、事業を拡大していくことで、県内企業の振興や地域経済の活性化にもつながることを大いに期待している」と話した。
 今後は、立地計画書や環境保全対策書などに基づく立地審査を経て、立地協定を締結する。
 
複数社が興味示す/アカデミアパーク
 
 かずさアカデミアパークは、君津市および木更津市に所在。面積約278・1uのうち、民間研究所等用地は約148・9ha。
 民間研究所等用地全35区画のうち、未利用地は、生産2B区画を除き、研究3B区画約1・7ha、研究7区画約7・6ha、研究15B―2区画約4ha。全ての区画において成長性や将来性が見込まれる企業などから進出に関する相談が複数寄せられている。
 また、未活用地を所有する企業は、富士通など3企業6画地・約36・1haあり、所有者との意見交換を進めるなど、早期の利活用に向けた働き掛けを行っている。
 このうち、富士通所有地は研究10〜12区画および生産1区画、約29・7ha。同社から他者への売却も含めた利活用の方策を検討中との意向が示されている。times