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建通新聞社(神奈川)
2024/12/16

【神奈川】横浜市 下水道浸水対策に概算1600億円

 横浜市下水道河川局は、下水道浸水対策プランの素案をまとめた。目標整備水準の時間降雨量を1・1倍引き上げ、横浜駅周辺地区では81・6_降雨に対応できる施設整備に取り組む。施設整備の進め方については、浸水想定だけでなく浸水した場合の影響の大きさを指標とし、252地区の枝線とその地区を流域として受け持つ16幹線の整備を優先。約20年間で概算約1600億円の事業費を投じる見通し。
 気候変動の影響で雨の降り方に変化が生じていることを踏まえ、浸水対策の目標や優先度の考え方を見直した。市が同プランを策定するのは初めて。
 素案によると、施設整備の対象とする降雨(目標整備水準)について、これまでの目標の1・1倍に引き上げる。併せて、1時間当たり100_の降雨が起きた場合に床上浸水をおおむね防止できるよう、ハード・ソフト対策に取り組む。
 施設整備の進め方についても転換を図る。過去に浸水被害が発生した地区を優先する「発生対応型」の対策に加え、浸水リスクが高い地区を優先する「予測対応型」も導入。
 具体的には、浸水想定と人口・資産などの分布状況を考慮した評価に基づき、緊急性と効率性を考慮しておおむね20年後を目標に、最も優先度が高い252地区と、その地区を受け持つ幹線を優先して整備する。対象については、下水道事業中期経営計画の策定時期ごとに実施地区を選ぶ。
 
■「目標整備水準」とは?
 下水道施設を整備する際に、浸水を発生させない雨の強さの目標。横浜市では▽自然排水区域(標高が高いエリア)▽ポンプ排水区域(標高が低いエリア)▽特別地区―に分けて設定。今回の見直しで、自然排水区域では1時間当たり51・9_(現行・約50_)、ポンプ排水区域では63・7_(約60_)、特別地区の横浜市周辺地区では81・6_(約74_)となる。

提供:建通新聞