県産業労働部は公告取りやめの状態となっている「ロボット開発イノベーションセンター(仮称)新築工事」を再公告するため、総務部入札課、都市整備部営繕課と内部調整を開始した。7月の公告を取りやめた理由は明らかにしていない。ただ資材価格や人件費などの高騰で、官積算と民間側の価格とに隔たりがあったもよう。産業労働部次世代産業拠点整備担当は、現状で2026年度中の開所予定は堅持したい考えだ。工事期間は2年程度かかるため、逆算すると年内にあらためてWTO案件として手続きを始める可能性が出てきた。
センターは、圏央鶴ヶ島インターチェンジ近接地(鶴ヶ島市太田ヶ谷地内)に新設するSAITAMAロボティクスセンター(仮称)の中核的な施設となる。埼玉県のロボット産業集積の核と位置付け、市場規模の拡大が見込まれるサービスロボット分野に、県内中小企業が参画できるよう支援する。
次世代産業拠点整備担当によると「実証フィールドと研究施設を一カ所に兼ね備える施設は、福島に次いで全国で2例目になる」という。
ロボット開発の重点的な支援6分野の一つには「建設・点検・保守」も位置付けられいる。
開会中の県議会12月定例会では10日、保谷武議員が「公共調達を通じたロボティクス産業の育成」について、一般質問で県の考えを聞いた。
産業労働部では「開設するセンターの施設管理に当たっても、受付や案内をはじめ、清掃、除草作業など幅広くロボット製品の活用を検討しており、率先して導入し活用実績を発信」していく考えを明らかにした。
センターで生まれたロボット製品については、国のNETIS(新技術情報提供システム)への「登録を促して全国の公共工事等で活用いただくことも考え」ている。
将来的には「県が製品を認証して、(総合評価方式など)県の公共調達にインセンティブを付与していくこと」も視野に入れている。
再公告するロボット開発イノベーションセンター(仮称)は、RC造(一部S造)2階+塔屋(3階)で、延べ床面積5709u。最高高さは16・6mとなる。
施設内には▽事務スペース▽ラボ29室▽コワーキング2室▽屋内フィールド――などを配置する。
提供:埼玉建設新聞