守山市は、守山駅東口再整備基本計画(素案)をまとめた。コンセプト「人が集まりつながる 憩いとにぎわいのあるまち」に向け▽複合商業▽ワークプレイス▽広場(憩い・交流)▽交通結節▽東西アクセス―の5機能を導入する。整備手法は▽開発行為▽土地区画整理事業▽市街地再開発事業―の3つを検討。基本計画の策定後、2025〜26年度に事業手法・事業スキームを決定する。概算事業費は約305億円。
基本計画の対象区域は、JR守山駅東口の面積約1万7100平方b。土地所有者は▽西日本旅客鉄道梶iJR西日本)=約1300平方b▽日本貨物鉄道梶iJR貨物)=約6900平方b▽東レ・ファインケミカル梶*200平方b▽守山市=約8700平方b―。
5つの導入機能をみると、『複合商業機能(複合商業エリア)』は、敷地面積「1500平方b程度」が基本。施設例は、飲食店(カフェ・レストラン)、日用品店(スーパーマーケット・ドラッグストア)、サービス(学習塾・クリニック・美容院・ビジネスホテル・レンタルスペース・自習スペース・スポーツジム)、屋内パブリックスペース、子育て支援施設など。
『ワークプレイス機能(企業誘致エリア)』は、敷地面積「5000平方b程度」が基本。対象区域の北東側隣接地で26年度に予定されている椛コ田製作所(守山イノベーションセンター)の竣工を踏まえ、相乗効果を生み出す新たな企業誘致を進める。
『広場(憩い・交流)機能』は、面積「約1000平方b以上」が基本。ベンチやテーブル等の設置、地場産材(地域産木材等)の利用や樹木の植栽による緑の活用、オープンカフェの設置など。
『交通結節機能』は▽ロータリー=面積「約2400〜2800平方b」が基本▽駐車場=設置台数「約220台」が基本▽駐輪場=設置台数「約720台」が基本(現在の位置での修繕や建替、あるいは新たな位置での整備)▽周辺道路=広場空間やロータリー機能の一部、駐車場・駐輪場、歩行空間としての活用を検討―。
『東西アクセス機能(歩行者・自転車動線)』は▽東西移動の強化=「自由通路等の整備(改札外通路の約10b拡張〔幅員約6b〕、内装〔床・壁・天井〕の美化、店舗設置など)」と「地下道の改修(照明設備の改修、案内誘導サインの改修、内装改修〔床・壁・天井〕等)」の組み合わせが基本/地下道は、既存の東口出入口のうち、公共トイレ側を廃止し、ロータリー側の1方向のみとする▽東口エリア内のアクセス強化=「鉄道に沿ったペデストリアンデッキの整備(屋根付き、幅員約4b)」が基本―。
土地利用ゾーニング・アクセス動線は、「広場中心案」を最も優位性の高い案に選定。広場を東口エリアの中心に配置し、その両側に複合商業機能(複合商業エリア)とワークプレイス機能(企業誘致エリア)を配置する。ロータリーは4車線道路を活用することで、現状よりもコンパクトな形状とする。一方通行道路は廃止し、歩行空間として活用する。駐車場の入口部分は、ペデストリアンデッキを設置し、歩行者と自動車の動線を階層的に分離する。
概算事業費の内訳は▽複合商業機能(複合商業エリア)=約100億円(駐車場を含む)▽ワークプレイス機能(企業誘致エリア)=約140億円▽広場(憩い・交流)機能=約1億円▽ロータリー=約7億円▽駐輪場=約3億円▽周辺道路=約5億円▽自由通路等の整備=約25億円▽地下道改修・撤去=約4億円▽ペデストリアンデッキの整備=約20億円―。
整備スケジュール案は、地権者との合意形成〜事業スキームの決定(約1〜2年〔25〜26年度〕)後、確定した事業手法・事業スキームに基づき、事業を実施する。想定される3手法の事業期間は▽開発行為=約5年▽土地区画整理事業=約4〜5年(都市計画決定の手続きを要する場合は約5〜6年)▽市街地再開発事業=約6年―。
市では、素案のパブリックコメント手続きを、来年1月10日から31日まで実施。期間中には市民説明会(全4回)を開催する。来年3月頃の第7回守山駅東口再整備基本計画策定委員会で、パブリックコメントの結果報告・基本計画の最終確認。そして来年6月頃に、市議会報告を経て、基本計画を策定する予定。
提供:滋賀産業新聞