四国の巨大地震に備える対応方針を示す四国地震防災基本戦略に、無電柱化の推進など新たな内容が追加される。学識経験者や国土交通省四国地方整備局をはじめ国機関、四国4県、ライフライン関連会社などで構成する四国南海トラフ地震対策戦略会議の本会議と合同訓練が12月4日に高松市内で開かれ、能登半島地震で浮かび上がった課題や事柄を同基本戦略へ追加してより万全を期すことや、四国で想定される課題を議論する専門部会を設立することを決めた。
現在の基本戦略では、実施項目を三つのタイプに分けて合計212件設定している。能登半島地震で確認された課題や事象のうち、現在の基本戦略に記載が十分でなく、追記したり、既存の項目を充実させて、フォローアップ調査をすべき内容として、無電柱化や砕石など復旧工事用材料の不足など24件を抽出した。
この24件を、基本戦略のうち根幹的な応急対応に関する4項目「各種啓開・物資輸送」「救援救護」「燃料供給」「災害廃棄物処理」「情報共有」に振り分けた。専門部会を12月中に立ち上げ、特に無電柱化や砕石など復旧工事用材料の不足といった内容が含まれる「各種啓開・物資輸送」について、専門部会で重点的に検討する。残りの3項目は事務局などで検討する。
来年3月までに2回ほど部会を開き、無電柱化などについてどのような表現で戦略に盛り込むかといった検討などを行う。25年4〜5月に幹事会を開き、基本戦略の見直し案を取りまとめ、同年6〜8月に開催する本会議で改定案を提示する。見直し後に、国や四国4県などが管理する道路で無電柱化の推進が期待される。
専門部会は四国地方整備局をはじめ国機関、四国4県、警察、自衛隊、ライフライン関連企業などで構成する。委員からは「専門部会に、地元建設業界の意見も取り入れてはどうか」という指摘があり、四国地方整備局は「各県の建設業協会などに参加してもらえるかなど、どのような形が良いか内部で検討したい」と答えた。
合同訓練も行われ、四国地方整備局や自衛隊などが運用するヘリコプターからの中継映像を会場に流す訓練などを実施した。
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建通新聞社