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建通新聞社(神奈川)
2024/12/10

【神奈川】横浜市 山下ふ頭再開発で検討委が答申案

 山下ふ頭の再開発に向けた横浜市の検討委員会(委員長・平尾光司専修大学社会科学研究所参与、昭和女子大学名誉理事)は12月9日に最終会合を開き、まちづくりの方向性を示す答申案をまとめた。海沿いに緑化空間を創出することや、埠頭(ふとう)内だけでなく市域全体の活性化につなげる開発を検討すべきだと言及。来街者の大幅な増加を見据えた交通インフラの整備や、防災機能を強化する必要性なども盛り込んだ。今後、最終的な答申の提出を受けて市が事業計画案の作成に着手する。
 統合型リゾート(IR)の誘致撤回を受け、2023年8月から全6回の会合を開いて答申案をまとめた。
 答申案では、まちづくりの大きな方向性を示すために「目指すべき姿」と「基盤・空間の考え方」の2項目を設定。
 目指すべき姿には、みなとみらい21地区の臨港パークから大桟橋、山下公園に至る動線と山下ふ頭を接続して、まとまりのある緑化空間を作る方向性を提示した。
 また、50年、100年後を見据えて、社会情勢やニーズの変化に対応できるよう、一定規模のオープンスペースを確保して、段階的な整備を進める計画を立てるべきだとした。
 基盤・空間の考え方については、山下ふ頭へのアクセス経路が限られていることや、再開発による来街者の大幅な増加を見据えるべきだと整理。臨港幹線道路(国直轄事業)を整備することに加え、歩行者のアクセス経路を確保するとともに、水上交通を活用して、羽田空港とのアクセス機能や災害時の物資輸送などに活用することが望ましいとまとめた。
 防災面では、旧上瀬谷通信施設地区(瀬谷区・旭区)で広域防災拠点の整備が計画されていることを踏まえ、海上からの物資・救援部隊の受け入れや病院船の着岸が可能な耐震強化岸壁などの整備の必要性も訴えた。

 =事業化目標は当初計画通り=

 今後は、事業計画の策定に着手することになるものの、計画に市民意見を反映する方法などに関して委員から要望が出たことを踏まえて答申案を一部修正する方針。
 年内を目標としている最終的な答申の提出時期について、横浜市港湾局の担当者は「委員長との調整次第になる」としつつ、26年度ごろの事業化、30年ごろの供用開始を目指すというこれまでの目標は「変更する予定はない」と説明した。

提供:建通新聞社