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建設経済新聞社
2024/12/06

【京都】橋梁の長寿命化対策で西脇知事が議会答弁 馬場橋の歩行者と車の分離対策 歩道橋設置や橋梁拡幅検討

 京都府の西脇隆俊知事は5日、12月議会の代表質問で橋梁の長寿命化対策について答弁した。
 西脇知事は「道路や河川などのインフラ施設は、府民生活や社会経済活動の基盤となる重要な施設であるが、我が国では建設後50年以上経過する施設の割合が今後急激に増加し、補修費をはじめとする維持管理費の増大や更新にかかる費用が一時的に集中するなど総費用が増加していく。財源に限りがある中、施設の機能を確実に維持しながら、総費用の縮減と補修時期の平準化を図ることが必要であり、そのためには損傷が軽微な段階で修繕等を実施し、機能の保持・回復を図る予防保全の考え方を導入し、施設の長寿命化を図ることが重要だと考えている。この考え方の下、京都府では平成27年度よりインフラ長寿命化計画、さらに平成28年度に学校などの公共建築物も対象とした京都府公共施設等管理方針を策定し、老朽化による事故防止など、府民の安心安全の確保、計画的な維持管理による財政負担の軽減と平準化、施設の長寿命化の推進などに取り組むこととした。京都府が管理する全2131の橋梁については、平成25年度に法令化された5年に一度の定期点検を平成26年度から5年かけて全ての橋梁で実施した。また令和元年からの2巡目点検と合わせて、補修が必要な283橋のうち173橋の対策が完了している。これらの補修工事はいずれも早期に措置が必要な橋梁であり、こうした橋梁が多数存在する中で、損傷が軽微な段階で補修を行う予防保全型の維持管理への移行が大きな課題となっている。予防保全型への移行は、全国の施設管理者共通の課題であり、令和3年度に国のインフラ長寿命化計画の改定において、予防保全の本格導入や新技術の積極活用などが盛り込まれた。これを契機に京都府においても、国の計画を踏まえて、令和4年度から予防保全等の取り組みをこれまで以上に推進してきた。具体的には予防保全の本格導入について、その効果がより高い橋桁の修繕など104橋の修繕を重点的に実施。また老朽化した橋の架け替えについては、府道綾部宮島線肱谷バイパスにおいて、旧道に架かる2つの老朽橋を耐震性が備わった新しい1つの橋に集約。また新技術の活用については、ドローンやAIによる画像診断技術を用いた点検の拡大など効率的でコスト縮減効果の高い工法を導入するなどの取り組みを進めている。今後とも府民の生活に不可欠なインフラ施設について、予防保全に取り組み、適切に維持管理していきたいと考えている」「次に馬場橋(長岡京市)の長寿命化対策と橋梁整備について。馬場橋は架設後53年が経過し、歩行者数や車両数の変化に伴い、利用状況も大きく変わってきた。これまで塗装の塗り替えなどの長寿命化対策は実施してきたものの、道路の幅員が狭く、歩道が未整備であるため、通勤・通学の時間帯には歩行者と車が錯綜しており、歩行者の安全確保が課題だと認識している。馬場橋の交通安全対策については、長岡京市長からも強い要望があり、今年7月に学校関係者や地域住民、警察、京都府や他の道路管理者などの関係機関と連携の下、現地の状況をよく点検し、市の通学路交通安全プログラムに反映した。馬場橋の整備については現在、歩行者と車を分離する構造として例えば歩道橋の設置や橋梁の拡幅について検討を進めており、できるだけ早期に事業化できるよう取り組んでいきたいと考えている。今後とも社会情勢の変化などに的確に対応しつつ、インフラの長寿命化を推進することで、将来にわたってその機能が十分発揮され、府民の安心安全を確保できるよう努めていきたいと考えている」と述べた。