上越市が計画する上越地域医療センター病院改築事業は、現時点で着手できない方向であることが分かった。
6日に開かれる市議会12月定例会の厚生常任委員会で説明される。
上越地域医療構想をはじめ、物価高騰や人件費の増加といった経営環境の変化、改築後の収支見通しを総合的に判断したとみられる。現在、県と新潟県厚生農業協同組合連合会の経営問題の中、中核病院と他の病院の機能や規模などの確定に時間を要することや、合併特例債が活用できない場合でも国および県の補助金を最大限活用して整備できる可能性もあるという。2019年度策定の当初計画によると、新築部分の建設規模が延べ約1万1485平方メートル(耐震構造)、病床数197床とし、概算事業費については88億1090万円を想定する。
センター病院は最も古い病棟で築後40年余りが経過するなど老朽化や、非効率な施設構成が指摘されていた。
中川幹太市長は9月定例会の提案理由説明で、「これまで実施してきた基本計画の見直し作業を、地域医療構想調整会議の議論を踏まえて完了させ、可能な限り早期に基本設計に着手したい」との考えを示していた。