東近江市が、文化芸術の力をいかしたまちづくりに取り組み、市民と共に文化芸術を振興し、多様な人々が共にいきいきと暮らす創造性のある豊かなまちの実現に向けて、『東近江市文化芸術振興計画』を策定した。
計画の目指す将来像は、『暮らしのそばに文化芸術があり、多様な人々が共生する東近江市』。
計画期間は、令和7年度から令和12年度までの6年間。
この中、計画期間の重点取組のC「既存文化施設の担う役割の再整理」で、「八日市文化芸術会館はじめ各文化施設の老朽化が課題となっている」として「将来の地域のあり方を見据えた東近江地域圏の文化芸術拠点施設の検討」を上げ、【文化芸術拠点施設の整備】について、八日市文化芸術会館については「東近江市を中核とした東近江地域圏の拠点施設として、質の高い文化芸術の提供を実現するために整備が必要である」とした。
同市の文化芸術の拠点施設である八日市文化芸術会館は、湖東地域の文化芸術の拠点施設として、1981年(昭和56年)に県立で開館し、2006年(平成18年)4月に滋賀県から東近江市へ管理が移管された。築50年を迎えようとしており、これまで数度の施設修繕や設備更新を行なってきたが、旧規格のため現在主流のホール設備やバリアフリー等の施設環境が不十分で老朽化もあり、抜本的対応が必要となっている。
このため、「将来の地域の在り方を見据え、地域の年齢構成や人口密集度、中心市街地の整備状況、交通インフラとともに市民利用等の在り方を踏まえ、施設の用途、設備内容、規模、経費や開館後の運営費等を十分に検討し、民間活力の導入も含めた総合的な整備が必要である」とし、「検討に当たっては、既存施設にはこだわらず、新設、統廃合等も含めたあらゆる選択肢の中で、関係各課が連携しながら、将来の東近江市にふさわしい施設の検討を始める」としており、今後の市の取り組みに注目したい。
計画の全体は、「市は森里川湖の多様な自然環境の中で、豊かな歴史文化が育まれ、市民によるさまざまな文化芸術活動が行なわれており、暮らしの中で、文化芸術の存在は欠かすことのできない大切なものである」とし、●文化芸術に親しむ機会づくり、●創造活動で市民をつなぐ、●様々な活動をつなぐ、●過去から現在、未来につなぐ、●応援する仕組みづくり―の「文化芸術振興5つの方向性」を示している。
提供:滋賀産業新聞