神奈川県警察本部は、港南警察署など8カ所を建て替える。8カ所のうち、最も計画が進んでいる相模原南警察署では、予算が獲得できれば2025年度に設計を委託する方針だ。本年度は大和警察署や高津警察署で建て替えの可能性調査を実施。今後は各署の検討状況を考慮しながら、再整備を進めたい考え。
建て替えの対象となるのは、港南署、戸塚署、瀬谷署、川崎臨港署、高津署、伊勢原署、大和署、相模原南署の8カ所。いずれも老朽化が進行しており、署員数や公用物品の増加による施設の狭隘(きょうあい)化も問題となっている。
県警では、21年3月に神奈川県警察施設整備基本計画を策定。21〜30年の10年間を第1期計画期間とし、築年数を基準に建て替えや長寿化対策などを進めている。再整備を行う警察署は、第1期計画期間中に築60年を越える施設。
相模原南署は、現在建て替えを行っている高相合同庁舎(相模原市南区)の敷地内に移転する。仮庁舎の跡地を利用する計画で、仮庁舎を撤去する27年度に着工し、29年度の完成を目指す。
その他の警察署では、移転の適地探しや現地建て替えの検討を行っているが、移転用地の確保に時間がかかっている。特に都市部では、地域住民の利便性や治安水準の維持、財政負担の条件を満たす用地の確保が難しく、建て替え計画の策定が進んでいない。
県内には警察署が54カ所ある。24年2月に竣工した津久井警察署を除くと、24署で築40年以上が経過しており、このうち10署は50年以上がたつ。築40年以上の施設が全体の4割を占める。
各署の概要は次の通り(@建物規模A完成年)。
▽港南警察署(横浜市港南区港南中央通11ノ1)―@鉄筋コンクリート造3階建て延べ3080平方bA1966年
▽戸塚警察署(横浜市戸塚区戸塚町3158ノ1)―@鉄筋コンクリート造4階建て延べ2300平方bA1970年
▽瀬谷警察署(横浜市瀬谷区二ツ橋213ノ1)―@鉄筋コンクリート造4階建て延べ1800平方bA1972年
▽川崎臨港警察署(川崎市川崎区池上新町2ノ17ノ14)―@鉄筋コンクリート造3階建て延べ2600平方bA1965年
▽高津警察署(川崎市高津区溝口4ノ5ノ1)―@鉄筋コンクリート造4階建て延べ1960平方bA1971年
▽伊勢原警察署(伊勢原市田中819)―@鉄筋コンクリート造4階建て延べ2610平方bA1969年
▽大和警察署(大和市中央5ノ15ノ4)―@鉄筋コンクリート造3階建て延べ3900平方bA1971年
▽相模原南警察署(相模原市南区古淵6ノ29ノ2)―@鉄筋コンクリート造4階建て延べ2900平方bA1974年
提供:建通新聞社