熊本県は25日、熊本テルサで「公民連携によるスポーツ施設整備に関する検討会議」(座長・澤田道夫熊本県立大学教授)の第2回会合を開いた。桜十字グループの県立総合体育館建て替え(新アリーナ整備)、八代市の新八代駅周辺大規模集客施設整備、菊陽町の新球場誘致構想について、各団体からヒアリングし、県内のスポーツ施設整備の動向を把握した。
会議では、熊本市が水前寺運動公園の競技場・野球場、市総合屋内プール(アクアドームくまもと)、市立総合体育館・青年会館(ナースパワーアリーナ)の現況を説明。老朽化の進行、大規模競技大会開催時の駐車場不足といった問題点を共有した。
県内で検討・計画されているスポーツ施設の動向を知るため、ヒアリングも行った。
プロバスケットボールBリーグ2部「熊本ヴォルターズ」の筆頭株主である桜十字グループは、県立総合体育館を新アリーナに建て替える計画を説明し、参考として現状のイメージパースを披露。2026年から始まるBリーグの改革で新設されるトップカテゴリー「Bリーグプレミア(Bプレミア)」に昇格するためには、収容人数5000人以上のアリーナが必要とした上で、「県の交流人口の増加・経済波及効果等を生み出す大きな起爆剤になる」とアピールした。整備手法については、県が主体となったPFIによる建設が最適との考えを示し、県に速やかな整備方針の決定を願い出た。
新八代駅周辺にアリーナ等を備えた大規模集客施設を計画している八代市は、TSMCの進出等で県内の南北格差が進んでいると指摘。交通アクセスの良さや整備効果を提示し、「民間活力の導入と県の支援によりアリーナ実現を目指す。アリーナで県南、熊本を元気にしたい」と強調した。
県営野球場を誘致したい菊陽町は新球場建設のスキーム案などを発表し、「町の一定の負担により県の負担の最小化に努めるとともに、民間団体を巻き込んだ提案にする」と話した。JR豊肥本線新駅周辺のまちづくりとの連携した展開も考えられるとし、「菊陽町だからこそできる魅力ある提案をしていきたい」と意欲を見せた。
ヒアリングに対し、委員からは「駅近、街中に整備できれば活性化に繋がる」「整備検討する施設の優先順位を決めるべき」「障がい者スポーツセンターを兼ねた施設の検討を」などの意見があった。
今後、ほかにもスポーツ施設整備の計画がないか県内全市町村に照会する。次回会議は25年3月を予定。
提供:
西日本建設新聞社公式フェイスブックページ:「
記者 建設探訪」