横浜市は、深谷通信所跡地の整備に向け、2027年ごろの都市計画決定を目指すことを明らかにした。墓園や公園、道路などの工事に備えて現在、環境影響評価準備書を作成している段階。都市計画決定後に用地取得や残置構造物の撤去などを約4年間かけて進め、工事着手から完成までは15年間程度を見込んでいる。12月2日の基地対策特別委員会に今後のスケジュールと施設配置のイメージを示した。
深谷通信所跡地の所在地は泉区和泉町、中田町地内。14年に米軍から返還された直径1`の円形の土地。面積は約77f。18年度に策定した「深谷通信所跡地利用基本計画」では、広域的な防災拠点として利用するとともに、公園や公園型墓園、外周道路などを整備する方針を打ち出した。
特別委員会では、この基本計画に基づいて作成した施設配置イメージを提示。それによると、ヘリポートや「見晴らしの丘」を中心とし、その周囲に公園型墓地と多目的広場、サッカー場、陸上トラック付き広場、硬式野球場などを設ける。外周には道路を整備し、環状4号線と接続する「西側連絡道路」も新設する。
基本計画の策定時点では、概算事業費を約400億円と見積もっていた。これに対し、委員の井上桜氏(無所属)が「資材や人件費の高騰を考えると、時点修正が必要ではないか」と質問。都市整備局基地対策担当部長の橋詰勝彦氏は、「都市計画手続きや設計を進めていく中で、より精度を上げていく」と説明した。
井上氏はまた、サッカー場など地域が利用できるエリアが多い点を評価しつつ、市内では三ツ沢公園や横浜国際プールといった複数のスポーツ関連施設で再整備計画が浮上している点を指摘。深谷通信所跡地との機能の重複などに関して「整合性を全庁的に検討すべき」だと訴えた。
深谷通信所跡地の利用を巡っては、もともと基本計画の策定から5年程度で都市計画決定を行うスケジュールを想定していたが、繰り延べになっていた。
提供:建通新聞社