神奈川県は、「神奈川県みんなのバリアフリー街づくり条例」の施行規則を一部改正する。車いす使用者用駐車区画、障害者や車いす使用者が使いやすいトイレ、劇場などの車いす用客席について設置基準を引き上げる方針だ。12月23日までパブリックコメントを実施しており、2025年3月に公布。バリアフリー法関連の改正に関しては25年6月1日から、それ以外は10月ごろから施行する。
県では、09年10月からみんなのバリアフリー街づくり条例を施行。条例に基づく整備基準により、国が定める建築物移動円滑化基準と同等以上の水準で障害者などの施設利用に配慮した整備を進めている。
国は24年6月にバリアフリー法に基づく建築物移動円滑化基準を改正。県条例の整備基準を上回る規定となったため、国の改正に合わせて県条例の施行規則を見直す。
車いす使用者用駐車区間の規定では、建築物に1カ所以上かつ駐車台数100台を超える場合は台数の1%以上としていた設置基準を、200台以下では駐車台数の2%以上、200台超では駐車施設の数の1%プラス2カ所以上に変更し、設置数を引き上げる。
また、これまで条例の適用対象外としていた機械式駐車場を含めることとし、車いすに対応している機械式駐車場では設置基準の計算方法に特例措置を設ける。
トイレの整備に関しては、建築物に対して1カ所以上と定めていた障害者などが利用しやすいトイレを各階に1カ所以上に変更。トイレの構造として、出入り口の有効幅員を80a以上にすることや床に滑りにくい材質を使用することなどを規定する。
車いす用トイレは、障害者などが利用しやすいトイレがある階に1カ所以上設置することを求める。その上で特定階への偏在を防ぐための条例独自の規定を追加する。
劇場や映画館などの車いす用客席の設置については、座席のある室ごとに、400席以下は2席以上、400席超は客席合計数の0・5%以上を整備するよう見直すとした。
提供:建通新聞社