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県利根沼田農業事務所農村整備課は、水利施設等保全高度化事業として片品村花咲地内の牛の平地区で進めている区画整理と畑地かんがい施設整備について、２０２５年度は３工区の区画整理工２・９haと獣害防止柵工延長１０００ｍをメインに行う。現在は国に予算要求を行った段階。総事業費は９億４４６５万円となっている。26年度に進捗と現場状況により補完工事を行い、事業完了を目指す。設計はプロファ設計（伊勢崎市）が担当した。
25年度に実施する区画整理工では、表土をはぎとり基盤を整地した後、再度表土を戻す作業を行う。また、付随して工区内道路工延長１０００ｍと排水路工延長１０００ｍも予定している。道路工は敷砂利での整備を計画しており、排水路工はコンクリート２次製品で施工する。獣害防止柵は恒久柵（金網）を使用し、南側には既設があるため北側の未整備区間を対象に施工する。さらに、補完工事として穴あき塩ビ管φ75�oでの暗渠排水工や法面植生工も見込む。対象箇所や規模は、現場状況をみて判断する。
このほか、地区外道路延長２８０ｍ分の表層工も予定しているが、３工区の施工の進捗状況により発注時期を決定する。早ければ25年度内に発注を行う見通し。
24年度の整備事業は今井工業（片品村）が受注。３工区の区画整理２・９haのうち１・65haで伐採工をおこなうほか、地区外道路の舗装工事に向け延長１２０ｍ、幅員５ｍの置換工と上層路盤工延長２８０ｍ、幅員５ｍを計画。また、地区外道路の排水路工延長１００ｍを予定している。
牛の平地区は片品村の南部に位置し、周囲を山に囲まれた20haの農地。花豆、とうもろこしなどを中心とした営農が行われている山間農業地帯で、条件不利地であることや農業用水施設が整備されておらず、農業者の高齢化も重なり、遊休農地化が課題となっている。このため、12・８haの区画整理や畑地かんがい施設整備を行い、尾瀬トマトや白小豆などの高収益作物を導入し、中山間地域農業の成長産業化を見込んでいる。