埼玉建築士会女性委員会(浅田由江委員長)は25日、「防(災)さいたま講演会」を、さいたま市内の埼玉教育会館で開催し、丸岡庸一郎会長や鈴木靖則副会長も駆け付けるなど、およそ50人の会員らが参加した。
講習会のテーマは「災害時の命を守るトイレを考える」。冒頭のあいさつで浅田委員長は「能登半島地震で、災害による関連死が、直接死を上回ったとの報道があった。避難場所でトイレに行きたくないから食べない、飲まないことにより、健康が維持できなくなり、命に関わる重要な問題になっている。昨年12月、女性委員会で防災について取り組むことになり、被災地で問題になっているトイレをテーマとしていこうということになった。その直後、今年の1月1日に能登半島地震が起きた。災害はいつ起こるかわからない」とし、本日の講演を役立ててほしいと呼び掛けた。
講演は、第1部として、日本トイレ研究所代表理事の加藤篤氏が「災害時、水洗トイレは使えない」と題して講演。加藤氏は、「トイレを通して防災を考えたい」として、災害時におけるトイレの状況や、能登半島地震・避難所におけるトイレ調査結果、今後の対応策の順に説明した。続く第2部は、シン設計室の高橋真理奈氏(入間第一支部)による「公共トイレ『インフラスタンド』から考える防災としてのコミュニティづくり」と題して講演。高橋氏は所沢市に休憩・イベントスペースとしても活用できる公共トイレ「インフラスタンド」の企画・設計者としても知られる。その後、災害用トイレミニワークショップも行われた。
提供:埼玉建設新聞