徳島県は、徳島駅北口設置に係る車両基地移設検討事業の検討結果をまとめた。新たに車両基地を旧文化センター跡地に移設して高架化構造とした場合の、鉄道高架計画の概算事業費を約850億円、想定事業期間を13年と試算している。今後、11月県議会で議論し、JR四国・徳島市と協議した上で事業化に向けて動き出す予定だ。
車両基地を徳島市南部のJR牟岐線沿いに移設する現行計画は、概算事業費約800億円、事業期間約17年と試算。高架区間の約4・2`(徳島駅西〜徳島市冷田川北側付近)はほぼ同じ。現行計画はT期・U期と分けた事業期間のため、新たな計画では事業期間を4年短縮している。
新計画は、旧文化センター跡地への車両基地移設が前提となる。事業費は現行計画の約800億円に対し新計画では約50億円増える。ただし県負担額は、国費投入が10分の5・5の場合に約180億円と、現行計画よりも10億円の増加にとどまる。新計画の事業期間が短縮されるのは、全体を一括して整備するため。
県は新たな鉄道高架計画の概要も示した。事業区間約4・2`で徳島駅西〜文化の森駅付近で北から出来島、花畑、曲尺町第2、富田、東富田第3、東富田第5、堀南第1、横土手、新開第2、神成第3、新開第1、新開第2の計12カ所の踏切除去を計画。
特に都市計画道路の吉野川橋通線(花畑踏切)、富田中央通線、昭和町大道線が高架橋下を通過する平面となり、既存道路の国道192号アンダーパス、県道宮倉徳島線アンダーパス(県庁の南西側)の高さ制限解除を伴う改良も予定。
徳島駅、阿波富田駅、二軒屋駅が高架化され、徳島市秋田町から南に至る徳島駅西須賀線、国道55号から二軒屋駅下を通過する二軒屋駅新浜線、冷田橋北側の住吉万代園瀬橋線の各都市計画道路が、鉄道高架と一体整備される予定。
新たな鉄道高架の費用便益比は1・2。事業費は鉄道高架と高架橋構造の車両基地構造物の工事費、用地補償費、軌道や検修庫などの鉄道設備、建築や機械の事業費で、鉄道事業者負担を含む。
徳島駅北口設置に係る車両基地移設検討はトーニチコンサルタント(東京都渋谷区)、費用対効果調査は四国建設コンサルタント(徳島市)。
提供:
建通新聞社