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建通新聞社四国
2024/11/19

【香川】香川県は最下位 重要施設の上下水道耐震化 

 災害時に拠点となる香川県内の病院や避難所などの重要施設49カ所のうち、接続する上水道・下水道管路の両方が耐震化されている施設はゼロだった。耐震化が1カ所も済んでいない都道府県は香川県だけで、全国最下位だった。池田豊人知事は「今後しっかりと市町との連携もしてスピードアップをしたい」とコメントした。上水道については広域水道企業団が既存の耐震化計画を見直してペースアップする計画を練っているという。
 重要施設に接続する下水道管路の耐震化率は28%で、四国では最も低く、全国の51%から大きく後れを取っている。避難所などの重要施設から下水処理場直前の合流地点までの下水道管路を持つ市町のうち、丸亀市と坂出市、善通寺市、直島町、綾川町、まんのう町が耐震化率ゼロだった。この他、市町ごとの耐震化状況は、高松市が延長60・7`中17・5`で耐震化率29%、観音寺市は5・6`中0・1`で2%、さぬき市が19・3`中10・4`で54%、三木町が2・4`中2・3`で96%、宇多津町が1・3`中1・1`で82%、琴平町が0・4`中0・3`で75%、多度津町が1・4`中0・2`で11%。
 避難所などの重要施設から下水処理場直前の合流地点までのポンプ場6カ所の耐震化率は全国唯一のゼロだった。全国平均は44%だった。
 上水道は、重要施設に接続する水道管路(配水本管と支管)の耐震化率は35%。管理者別では県広域水道企業団は対象管路延長100`のうち34%に当たる34`が耐震化されており、直島町の簡易水道事業は対象1・9`のうち1・4`、75%が耐震化済みだった。
 上水道の耐震化状況は、取水施設は2%で全国の都道府県のうち最下位、全国平均の46%に大きな差があった。導水管は全国34%に対し県内34%、送水管は全国47%に対し県内39%、配水池は全国67%に対し県内65%だった。一方、浄水施設は61%で全国43%を上回った。
 緊急点検は、1月に発生した能登半島地震で上下水道施設に大きな被害が生じ、復旧に長期間かかったことを教訓に、国土交通省が2023年度末時点の耐震化状況を確認した。珠洲市など石川県能登半島の6市町以外の全国の水道事業者と下水道管理者を対象とした。
 国土交通省は、全ての水道事業者や下水道管理者などに緊急点検結果を踏まえた「上下水道耐震化計画」の策定を要請しており、計画に基づく取り組み状況のフォローアップなどを通じて、上下水道施設の耐震化を進める。
 全国の下水道の急所施設については、下水処理場は約48%、下水道管路は約72%、ポンプ場は約46%だった。
 避難所などの重要施設に接続する管路などは、水道管路は約39%、下水道管路は約51%、汚水ポンプ場は約44%。
 給水区域内かつ下水道処理区域内の重要施設のうち、接続する水道・下水道の管路などの両方が耐震化されている重要施設は約15%にとどまった。
 給水人口規模別の耐震化率を見ると、どの急所施設も給水人口規模が小さい事業者ほど耐震化率が低い傾向にあった。
 下水道の急所施設について、市町村の人口規模別の耐震化率を見ると、下水処理場については、1万人未満の市町村は約58%、政令市は約29%であるなど、人口規模が大きい市町村ほど耐震化率が低い傾向にあったが、その他の急所施設については地方公共団体ごとにばらつきがあったという。

提供:建通新聞社