秋田建設工業新聞社は22日、秋田市立日新小学校(秋田市新屋栗田町)の建設工事現場で小学生を対象とした現場見学会を開催。同校6年生児童152名が、来年度から使用される新校舎の現場を見学し、建設業への理解を深めた。
見学会は、建設業の深刻な担い手不足の解消に貢献しようと、平成29年から開始。未来を担う子どもたちが建設現場を見学することで、建設業の社会的な役割や魅力を感じ、将来の職業選択につながって欲しいとの思いで実施している。
今回は、完成する校舎で学ぶことのない現6年生児童に見学会を開催。新校舎は木造一部鉄筋コンクリート造3階建て、延べ床面積6,775.3uで、建築工事は住建・珍田・伊藤工業建設工事JV、設計は村田弘建築設計事務所が担当。児童たちは座学で新校舎の特徴や建設業のやりがいなどについて学んだ後、小学校では県内初となる木造3階建て校舎が建設される様子を見学した。
座学では、村田弘建築設計事務所の村田良太代表取締役が「新校舎の材料になる木材のうち、約半分の8,000本は秋田市のスギを使っている。木造にすることで、地球温暖化の原因となる二酸化炭素を減らすことができる」と新校舎の特徴や設計に込めた思いを紹介。
ティンバラム株式会社の女性技術者、畠山ほのかさんは、「ものづくりが好きで、建物が完成した時は喜びを感じ、感動する」と仕事のやりがいを話し、「好きなことを大事にして、興味を持ったことにチャレンジしてほしい」と児童たちにメッセージを送った。
児童からは「この学校の金額は?」などの質問があり、「約39億円」という答えに驚きの声が上がった。
クラスごとに行った現場見学では、住建トレーディングの深澤剛樹取締役建築部長の案内のもと、完成間近の東教室棟とメディア棟を見学。机などの備品が置かれていない状態の教室や図書館などを興味深く見て回り、「木のにおいがする」「この校舎に通う後輩がうらやましい」などと話し合っていた。
見学会の終わりには、クラスの代表が実際に工事で使われている木材に釘を打ったり、塗料を塗ったりして建設業の仕事を体験。金槌や刷毛の使い方が少しずつ上手になっていくクラスメイトの様子を見ながら、児童たちは拍手喝采していた。
見学を終えた後、佐々木咲寧さんは「初めて工事現場に入れて楽しかったし、建物の仕組みを知ることができて良かった。私たちは通うことができないけれど、後輩には新校舎でたくさん楽しい思い出を作ってほしい」と笑顔で話していた。
なお、見学会は秋田県、秋田県教育委員会、秋田市、秋田市教育委員会、秋田県建設業協会、秋田中央建設業協会、秋田市建設業協会が後援した。
提供:
秋田建設工業新聞社