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秋田建設工業新聞社
2024/11/21

【秋田県】馬場目川など3河川改修、事業費25億円増/輪中堤計画箇所を掘削等に変更

 県が昨今の大雨被害を踏まえ行う馬場目川、富津内川、内川川(いずれも五城目町)の河川改修事業に関し、8月に追加・変更した河川整備計画の概要を20日の公共事業評価専門委員会に説明した。輪中堤の整備を予定していた馬場目川久保工区の高崎地区を河道掘削に、馬場目川平の下工区の寺庭地区を河道掘削、築堤、護岸に、富津内川下山内工区の下山内地区を河道掘削、築堤、護岸に変更。3河川合わせて45億円だった事業費は、25億円増の合計70億円となる。

 洪水量評価(パシフィックコンサルタンツ)で氾濫解析を行った結果、掘削の方が氾濫をおさえ、浸水範囲を縮小できるなど、事業効果を総合的に判断し、河川整備計画を変更した。氾濫解析を踏まえた全体計画延長は当初の7,800mから9,700m(馬場目川L4,300m→L5,700m、富津内川L2,700m→L3,000m、内川川L800m→L1,000m)に、総事業費は45億円から70億円に変更となった。

 このうち馬場目川では、坊村橋下流〜舘越公民館上流部の延長2,700mを「久保工区」、同工区上流にあたる寺庭集落下流〜中屋敷橋上流の延長3,000mを「平の下工区」として整備。

 久保工区では、坊村橋付近の高崎地区で当初の輪中堤を河道掘削に、上流側の平の下工区では寺庭地区で輪中堤を河道掘削、築堤、護岸に変更。排水樋管も整備する。当初、両工区を合わせた計画延長は4,300mだったが5,700mに増え、事業費は当初の20億円が30億円となる。事業期間は15年度まで。今年度は地形・路線測量、護岸詳細設計、用地測量を委託している。

 富津内川では、山内橋の上流側〜内川川合流点付近の「下山内工区」が延長2,300m、内川川合流点付近〜国道285号の「冨田工区」が延長700m。このうち下山内工区の下山内地区に当初、輪中堤防を整備する予定だったが、河道掘削、築堤、護岸に変更。冨田工区は整備方針を変更せず、当初予定通り築堤、河道掘削を行う。富津内川でも排水樋管の整備を行う。

 両工区を合わせた富津内川の事業費は、当初の10億円から25億円になった。事業期間は9年度まで。今年度は河川改修設計、路線測量、用地測量を実施している。

 内川川は整備手法の変更をせず、湯ノ又地区(金ヶ沢川合流点付近〜上河原橋付近)の1,000mで捷水路(ショートカット)を整備。河道掘削、護岸工、橋梁架け替えを行う。事業費は15億円、事業期間は9年度までを予定している。今年度は河川改修設計、地質調査、用地測量を委託している。

 なお、県は河川の掘削土を有効活用して高台を造成し、災害時の緊急復旧(緊急車両待機など)や平時の地域活性化に活用する「レジリエンスベース」の実施を検討している。

 昨年7月の大雨では、馬場目川で床上浸水386戸、床下浸水142戸(浸水面積398ha)、富津内川で同11戸、15戸(131ha)、内川川で同11戸、11戸(59ha)の被害が発生した。いずれの河川も令和4年、平成30年、馬場目川では平成29年にも床上・床下浸水が発生している。

提供/秋田建設工業新聞社