日本工業経済新聞社(群馬)
2024/11/20
【群馬】宝川橋解体工事、25年度へ準備
みなかみ町は複数年かけて実施を予定している、藤原地内の宝川橋解体工事について、2025年度は左岸側のRCT桁橋と橋脚1基の解体に着手すべく、予算確保に向け準備を始めた。現在は右岸側の鋼ワーレントラス橋の解体を月建設(みなかみ町)が受注し、25年3月末までの工期で施工を進めている。設計は技研コンサル(前橋市)が手掛けている。
町道藤原102号線にある同橋は、利根川を跨ぐ橋長約69m、全幅4・8m〜4m、右岸側の鋼ワーレントラス橋と左岸側のRCT桁橋で、壁式橋脚1基と橋台2基が設置されている。河床から上部工までの高さは平均で14m程度。1958年の架設から60年以上経っており、2021年の定期点検で下部工の剥離と鉄筋露出、支承の機能障害が確認されたため、通行止めの措置となっていた。
25年度は、左岸側の橋長13・6m、全幅4mのRCT桁橋とコンクリート橋脚1基を解体する。上部工は両側の高欄延長約27mを撤去し、T桁はコンクリートカッター切断により、張出部、床版部、主桁部、横桁部の各部材に分断してクローラクレーンにより撤去する。また、橋脚はコンクリートブレーカにより破砕したものを、ラフテレーンクレーンにより撤去し搬出する予定。橋台は、背面にある急傾斜法面の保護の観点から撤去しない。
24年度は月建設が1億3400万円で右岸側の工事を受注。橋長55・1m、全幅4・8mの鋼ワーレントラス橋の解体を実施する。工事は塔2基、ワイヤーロープ、ケーブルクレーンを設置し、ガス切断したトラス部材をクレーンで吊り込み搬出する直吊り工法により行われる計画としている。
なお、撤去後における新たな橋梁の建設については、すぐ上流側に県道宝川久保線の奥利根橋が架設されているために予定されていない。
同町では、計画的な維持管理を実施し橋梁の長寿命化を図ることで維持管理のコスト削減を目指す橋梁長寿命化修繕計画に基づき、5年に1度の定期点検を行っている。同町が管理している橋梁は434橋あり、23年3月末時点で、橋長15m以上の橋梁94橋のうち健全性において措置段階とされるV判定が7橋、W判定が1橋。15m未満の橋梁340橋のうちV判定が12橋存在。対応が必要なものから優先順位をつけて計画的に補修工事などを行っており、24年度は、月夜野地内の薮田桟道橋の補修工事を須田建設(みなかみ町)が受注している。