滋賀県農政水産部耕地課はこのほど、野洲川下流主幹線地区かんがい排水事業に係る土地改良事業計画を定めた。基幹施設である集合管、主幹線水路の機能を保全するための更新整備を行うことにより、施設の維持管理の費用と労力の軽減および農業用水の安定供給を図り、農業生産性の維持および農業経営の安定に資するもの。管水路の総延長は1250b、総事業費は37億3500万円を見込む。今年度より工事着手、2029年度(令和11年度)の工事完了を予定している。
県営野洲川下流主幹線地区土地改良事業(かんがい排水事業)における整備は、主に現存の用水施設(用水路)の更新が対象となる。5日に定められた事業計画によると、工事概要は▽主要線送水路(集合管)=管水路延長113b(構造DCIPφ2200)、空気弁工等▽主要線送水路=管水路延長1137b(構造DCIPφ2200)、空気弁工等―。事業費(22年度〔令和4年度〕単価)は▽主要工事=37億0500万円▽附帯工事=3000万円―。
集合管、主幹線水路を更新。幹線水路、支線水路や揚水機場は現況利用する。
野洲川下流主幹線地区は、野洲市、守山市に位置し、一級河川・野洲川の下流に広がる三角州であり、水稲を中心に小麦、大豆等を組み合わせた営農が展開されている。同地区は、琵琶湖を水源として野洲川揚水機場から取水し、管水路によって受益面積2068f(野洲市1583f+守山市485f)にかんがいしている。
同地区の施設は、かんがい排水事業(1970年〔昭和45年〕〜87年〔昭和62年〕)により造成された後40年以上が経過して、施設の漏水事故も発生し劣化が著しい状況。また、性能低下の進行により施設の維持管理に多大な費用と労力を要するとともに、農業用水の安定供給に支障を来たしている。
提供:滋賀産業新聞