国土交通省近畿地方整備局は11月13日、令和6年能登半島豪雨の災害支援のために派遣した、緊急災害対策派遣隊(TEC―FORCE)の活動帰還報告会を大阪市内で開いた。先遣班を筆頭に9月25日から58人の職員を派遣し、10月10日で全ての隊が帰還。期間中に延べ383人・日、日最大で29人が現地で活動した。先遣班の他、砂防、河川、道路などの被害状況調査班、情報通信班の各班が現地での活動内容などを説明。民間企業も協力し、今回の報告会で併せて支援の内容を報告した。
長谷川朋弘局長は、テックフォース隊員と参加した協力業者をねぎらうとともに、「今回11人が初めてテックフォースに従事した。普段と違う業務にもかかわらずよくやってくれた。各班の報告も現地の苦労や今後の教訓となるものだった。また、首長や住民からも感謝の言葉をいただいたとのことで、住民に寄り添って支援をするということもテックフォースの重要な役割だと再認識した」と述べた。
その上で、被災状況調査班(砂防)が使用した計測機材のトゥルーパルスについて触れ、「砂防だけでなく道路や河川でも活用できるのではないかと感じた」とし、「これらいくつかの教訓を、今後起こりうる災害に生かしたい」と災害への備えを進める姿勢を示した。
報告会では先遣班や砂防・河川・道路の被災状況調査班の他、UAVによる被災状況調査に協力したアーバンクリエイトの玉利正人代表取締役による活動報告が行われた。
また、能登半島地震の際にテックフォース派遣調査班との電話やデータ通信が困難であったことを踏まえ、新たに装備品に導入した衛星通信機器・Starlinkを試験的に運用。情報通信班は、「設営時の降雨対策など課題が分かった。今後、どのような場合でもテックフォース調査班の通信回線確保が可能となるように設置場所や降雨対策を含めた準備を進める必要がある」と課題を挙げた。
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