厚生労働省愛媛労働局は、2023年度(23年4月〜24年3月)に実施した「長時間労働が疑われる事業場に対する監督指導結果」を公表した。23年度は前年度より143現場少ない353事業場に対し監督指導を実施し、このうち48・7%に当たる172事業場で違法な時間外労働を確認し、それらの事業場に対して是正・改善に向けた指導を行った。建設業では7事業場がその是正・改善指導の対象となっている。
同監督指導は、各種情報から月80時間を超える長時間の過重労働が考えられる事業場や長時間にわたる過重な労働による過労死などに係る労災請求が行われた事業場に対して実施しているもの。違法な時間外労働が認められた172事業場のうち、実際に1カ月当たり80時間を超える時間外・休日労働が認められた事業場は半数を超える92事業場あった。
また、月100時間(月150時間未満)を超える事業場は61事業場、月150時間(200時間未満)を超える事業場も4事業場だった。前年度に1事業場あった月200時間を超える事業場は今回該当なしだった。
なお、建設業で監督指導を行った事業場は21事業場で、このうち7事業場で労働基準法第32条違反など労働時間の関係法令違反があり、同局が是正指導を行っている。この他建設業では、労働法第37条違反などの「賃金不払い残業に関するもの」が1事業場あったが、労働安全衛生法第66条違反など「健康障害防止措置に関するもの」は該当なしだった。
違法な長時間労働の是正に向け、同局では11月の「過重労働解消キャンペーン」の期間中に重点的な監督指導を行うなど、取り組みを積極的に推進していく考えだ。
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建通新聞社