県産業労働部は2025年を初年度とする新たな企業誘致戦略の策定を開始した。25年3月末までにまとめ、翌4月に公表する予定を立てている。大野元裕知事は5日の会見で基本理念の『ワンストップ』『クイック』『オーダーメイド』は引き継いだ上で、「さらなるアプローチを行いたい」と明言。課題となっている「産業用地の確保」などに注力する考えを示した。
また「成長産業を重点ターゲットに据えて、誘致を狙っていく」(企業立地課)考えも盛り込む見通しだ。
大野知事は「埼玉ならではの取り組みを進めていく必要もある」と話し、具体的に「資源の循環利用」「エネルギーの共同利用」を挙げた。
現行の戦略(22年4月〜25年3月)は「コロナ禍だったので、オンラインを活用した企業アプローチやPRセミナー」が特徴となっている。
産業用地の確保について知事は、進出意向の企業があっても、用地がないために「なかなかその意向に対して応えられない部分もあった」と振り返る。
現行戦略では3本柱として@地域との共生や地域の持続的発展に取り組む企業の誘致A企業誘致活動の全国展開強化B企業アプローチ活動の強化と積極的な情報発信――を掲げている。
そして数値目標として立地件数150件、アプローチ件数6000件を設定している。
150件に対して9月末時点で139件(進ちょく率93%)となっており、同部では概ね順調に推移していると認識。
県の企業誘致実績(05年1月〜24年9月)は▽立地件数=1371件▽投資総額=約2兆3649億円▽新規雇用=4万2275人――となっている。1371件のうち、エリア別では圏央道沿線の立地が752件と半数以上を占めている。
提供:埼玉建設新聞