北海道建設新聞社
2024/11/18
【北海道】京セラCSが石狩のデータセンターに2棟目新設を構想
京セラ(本社・京都)とKDDI(同・東京)が共同出資する京セラコミュニケーションシステム(KCCS、同・京都)は、石狩湾新港地域に開所した再生可能エネルギー100%で運用するデータセンター(DC)の敷地内に2棟目の新設を構想している。需要の高まりに対応するため、現施設の受電容量2−3㎿を超える規模になるもよう。他社との競合に負けないよう、現施設のコンピューターや液冷方式への対応といった設備投資に、年間数十億円を継続的に投じる方針だ。
北海道建設新聞の取材に応じた黒瀬善仁社長は「現施設敷地内(1・5㏊)に2棟目を新設することも考えている」と明かした。受電容量は現施設を上回る見込み。「再エネが豊富で需要や雇用面を支える札幌が近い石狩はDC立地の適地だ」との考えを示した。
12日に石狩湾新港地域に新設した「ゼロエミッション・データセンター石狩」でメディア向け説明会を開いた。同DC(RC造、2階一部3階、延べ5300u)は、受電容量2−3㎿、400ラックの規模。設計施工を大成建設が担当した。2022年11月に着工し、ことし10月1日に運用を開始した。
記者会見で黒瀬社長は「ニーズに合わせて施設の拡張や設備投資を進める」と述べた。同DCには、年間数十億円の設備投資を実施する方針。生成AIの運用基盤となる画像処理装置(GPU)の導入を計画していて、空冷方式より効率的にサーバーを冷やせる液冷方式を整備する。
10月1日の開所から順次テナントが入り、12日で1割程度のサーバーが稼働する。周辺に新設した太陽光発電1・8㎿を直接利用するほか、石狩湾新港洋上風力の電力も組み合わせて運用。蓄電池6㎿とAI技術を用いた電力需給制御で、常時再エネ100%で運用する。同社によれば、国内のDCで初めての事例となる。