建設コンサルタンツ協会北陸支部(吉野清文支部長)と新潟市幹部との意見交換会が13日、新潟市中央区のアートホテル新潟駅前で開催され、担い手育成・育成のための環境整備や品質の確保・向上などの議題について情報共有した。
冒頭、大平豊副支部長は「国土強靱化実施中期計画が策定中だが、早期策定に向けた国への働きかけをお願い申し上げる。防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策に引き続き、切れ目のない事業執行を行うためには設計ストックの確保は重要。特に地元のコンサルタントにとってDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進、あるいは持続的な賃上げを実施するためには経営基盤の強化が必要になる。安定した受注量の確保をお願いする」とあいさつした。
これに対し、新潟市の柳田芳広技監が「建設業はいわゆる社会資本インフラの整備・管理の主体であるとともに、災害時においては市民生活を支える地域の守り手として重要な役割が求められている。一方で、技術者の高齢化や担い手不足といった課題にも直面している。このような中、官と民が一層連携を強め、働き方改革や生産性向上に取り組むことで将来にわたって持続可能な業界を目指していきたい」と語った。
非公開で行われた意見交換では、協会側が担い手確保・育成のための環境整備について、納期分散に向けて繰越の柔軟な運用や債務設定、前倒し発注等のさらなる取り組みを求めた。市側は「業務に関連する調整等が必要な場合については業務委託条件総括表に明示するよう関係部署に周知しているが、研修等を通じて一層周知を図っていきたい」と回答した。明示条件を踏まえた適切な工期の確保および柔軟な工期延伸に関しては「適正な履行期限の設定について積算基準に基づき、積算内容等に応じた日数のほかに河川協議、警察協議、地元協議等が必要な場合はその期間を別途加算して期間を設定している。変更時においても土木設計業務等設計変更ガイドラインに則り、引き続き適正な工期の確保を進めていきたい」と応じた。
受発注者協働によるワークライフバランスの施策の推進・強化に関しては協会側がウイークリースタンスのさらなる周知と効果的な取り組みに加え、新たにワンデーレスポンスの掲載やウイークリースタンスにさらなる項目の追加を要望。
品質の確保・向上では成績評定の評価と活用について、検討状況を踏まえて表彰制度の早期試行を、三者会議の活用では会議時費用や追加業務等の適切な費用計上と工期確保を提案。さらに、指定仮設・任意仮設の明確化について設計書および仕様書の適用範囲外の業務は見積もり対応に加え、新たにさらなる職員への通知を促した。
そのほか、建設DXの推進に向けて新潟市が10月から開始した電子契約サービスなどについて情報共有したほか、Web会議のさらなる活用とWeb検査での活用も要望した。