インフラメンテナンス国民会議近畿本部フォーラムは11月8日、施設管理者が抱えるインフラの維持管理の課題解決に向けて行った実証実験の報告会などを大阪市内で行った。
実証実験報告会では、京都府からのニーズ「鋼板溶接された床版の調査技術」に対し、九検(佐賀市)が「AI技術を用いた打音検査機(PDC−200A)の維持管理への活用」、ウオールナット(東京都立川市)が「交通規制不要の車載式レーダー手法による調査」、ジオ・サーチ(東京都大田区)が「路面から床板内部の状態を計測、解析できる車載式電磁波レーダー探査」の実証実験結果を報告。
また、和歌山県太地町からのニーズ「橋梁点検などにおける近接目視の代替え技術(道路付属物の点検技術)」に対し、アース・アナライザー(京都府綾部市)は「道路付属物の近接目視点検に替わるUAV空撮の活用」の実験結果を報告。
最後に、滋賀県竜王町からのニーズ「路面の点検が簡単に可能な技術」に対し、福田道路(新潟市)は「マルチファインアイによる簡易な路面点検技術」、ニチレキ(東京都千代田区)は「車にスマートフォンを搭載しひび割れ、わだち掘れ、IRIを評価する技術」の実験結果をそれぞれ報告した。
同フォーラムの坂野昌弘ワーキンググループ長は、京都府のニーズに対し3社が実証実験を行ったことについて触れ「施設管理者として点検手法に100%完璧というものはない。それぞれの特性を把握して使い分けをしてほしい」と社会実装に向けて、各技術を総括した。
この他に包括的民間委託等の導入推進ワーキンググループのシンポジウム「地域インフラ群再生戦略マネジメントについて〜現場に近いところで考える〜」をテーマに、パネルディスカッションが行われた。コーディネーターは板倉信一郎包括的民間委託等の導入推進ワーキンググループ長が、パネリストには国土交通省総合政策局公共事業企画調整課の岩井聖企画調整官、和歌山県県土整備部道路局道路政策課の北林昌樹課長補佐兼計画班長、養父市まち整備部の橋本直幸次長、貝塚市総合政策部公共施設マネジメント室の七野司室長が参加した。
※写真は建通新聞電子版に掲載中
提供:建通新聞社