球磨川流域治水協議会の第10回会合が5日、熊本テルサであった。国土交通省は、2021年度から進めていた流水型ダムの環境影響評価手続きが、先月11日の評価レポート公表で完了したことを報告。今後は、付替村道や平場の整備にも着手していく考えを示した。
球磨川流域治水協議会の第10回会合が5日、熊本テルサであった。国土交通省は、2021年度から進めていた流水型ダムの環境影響評価手続きが、先月11日の評価レポート公表で完了したことを報告。今後は、付替村道や平場の整備にも着手していく考えを示した。
川辺川に設置する流水型ダムは、27年度にダム本体の基礎掘削工事着手、35年度の完成が予定されている。環境影響評価の手続き後について国交省は、新たに設置する技術検討会(仮称)で、更なる環境影響への最小化に向けた検討を進めていくと説明した。
付替村道の整備は、工事用進入路の復旧を実施している段階で、今後は逆瀬川区間等の未開通区間を、下流側から順次整備していく方針。05年以降工事を中断していた逆瀬川1号橋も工事を再開する。
五木村の新たな平場整備は、企業誘致などの振興策の実現に必要な喫緊の課題で、村との協議が整い次第、速やかに整備推進すると説明。今年度は測量・地質調査を実施し、可能な箇所から工事に着手する。
九州地方整備局の森田康夫局長は「評価レポートの作成で一区切りになるが、引き続き環境影響の最小化に向け、最善を尽くしていく。これから付替村道などの工事を再開するとともに、27年度からのダム本体基礎掘削の着手を目指す」と説明。五木村・相良村の地域振興にもスピード感をもって取り組むと話した。
木村敬知事は、環境アセス手続きの完了を受けて、「治水効果の最大化と環境影響の最小化に向けた更なる検討をお願いする」と国交省に要望。川辺川の県管理区間については「国が目標とする35年度の流水型ダム完成までを目指して、集中的に取り組んでいきたい」と力を込めた。流域の振興策は、今後見直す復旧復興プランに盛り込んでいく考え。
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