宇治市は11日、近鉄小倉駅周辺地区まちづくり基本計画推進会議を開催。まちづくり基本計画(素案)を報告した。
近鉄小倉駅周辺地区は、都市計画マスタープランにおいて「地域拠点」と位置付けており、日常生活をおくる上で利便性が高く、暮らしやすい環境を形成することに加え、市内の代表的な商業集積地である特徴を踏まえた更なる発展、人を集める新たな魅力の創出を図るとともに、他拠点との魅力の共有や連携を図るなど、新しい特色を持った拠点を目指している。
令和4年3月に策定したまちづくり基本構想を踏まえ、駅前広場や都市計画道路等、都市基盤施設の整備や土地利用計画について検討するとともに、その実現に向けた事業手法等について検討し、基本計画をとりまとめる。
基本計画では、基本構想で示した駅周辺地区の4つの区分(駅西住宅ゾーン、旧大和街道住宅ゾーン、駅前ゾーン、幹線道路沿道ゾーン)のうち、短期(早期)に整備すべき都市基盤を中心に、主に駅前ゾーンにおける具体的な方針や整備の方向性について、まちづくりのプランとしてまとめている。
近鉄小倉駅周辺エリアは、旧大和街道沿いに茶商が立地するなど歴史あるまちなみが残っており、商業や業務機能が集積する地域。また市内の代表的な商業集積地としてニンテンドーミュージアムの設置による相乗的な発展、人を集める新たな魅力の創出を図り、新しい特色を持った拠点となることを目指している。
駅前ゾーンではにぎわい創出を検討している。駅東口に規模約2800u以上のロータリー整備を検討している。バス、福祉車両、タクシー、一般車両の停留スペースとしての機能をもつ予定。歩道幅員は4・0m以上(有効幅員3・5m、施設帯0・5m)で、オープンスペースでは駅前の待合・休憩スペースとしての利用や、地域イベントの開催や移動型店舗が出店できる滞留スペースの配置を検討し、賑わいの創出を図る。
駅西口の整備については、規模約800mのロータリーの整備を検討している。福祉車両、タクシー、一般車両の停留スペースとしての機能をもつ予定。歩道幅員は駅東口と同様に4・0m以上(有効幅員3・5m、施設帯0・5m)。駅前広場の整備として、駅周辺整備の工事ヤードとしての利用を見込んだ規模のロータリーの整備を予定している。既存駅前広場より一回り大きな駅前広場の整備を行い、停車スペース等を利用しやすい形状を検討している。駅西住宅ゾーンへ「いざなう」機能を有した駅前広場の整備を図る。
自由通路の整備については、形状は跨線自由通路で幅員は3・5m以上、階段幅員は2・0m以上を予定。設備についてはエレベーターを設置する。エスカレーターの要否、多言語対応の案内サインの設置などの検討を行う。ニンテンドーミュージアムへの来訪者など人の流れを見定め、バリアフリー法等の基準に適合した機能を確保する。
駅東口の地区の大半は民有地となっていることから、市街地整備手法の導入を検討。導入手法は、個々の土地利用の意向に沿い、土地所有者がまちづくりの一員として、にぎわいの創出にも積極的に参加できる土地区画整理事業を軸に検討を進める。
駅前整備にあたり、都市計画道路の見直しや駅前広場の形状についての検討・点検、駅前広場の進入口となる府道の交差点形状の点検の必要性なども検討する。駅前整備後の歩行者や車両の動線を意識しつつ、駅前ゾーンから周辺へにぎわいを波及させることも見据え、駅前広場・自由通路の配置を検討する。
今後の流れは、都市計画道路や土地区画整備事業に係る都市計画決定までの手続きを概ね2年程度で行いつつ、並行して鉄道事業者との協議も重ねながら、事業に係る基本設計等を進める予定。早期に駅周辺の都市計画規制の点検を実施し、必要に応じて見直しを図り、詳細な検討や土地所有者及び関係団体との調整を行い、早期の事業化を目指している。