秋田市上下水道局は、大雨時における同市広面地区の浸水被害軽減を検討するため、6日に計画策定等業務を開札し、3,530万円で日水コンが落札した。秋田大学医学部附属病院の周辺で雨水貯留施設の整備を検討。想定最大規模降雨などに応じた浸水想定区域を想定し、概略設計をまとめる。対象は広面字蓮沼、手形、柳田などの太平川第二・七排水区(156.5ha)と、市立桜小学校周辺の太平川第三・六排水区(46.9ha)。
広面地区では、昨年7月の大雨で大規模な浸水被害が発生した。同地区には、太平川に排水する「太平川10−1号幹線」など複数の雨水幹線があり、必要な雨水管整備はほぼ終えているため、新たな雨水幹線は整備せず、雨水貯留施設(貯留槽)の新設を検討。雨水幹線の排水能力を超える大雨が降った際、雨水を一時的に貯留できる貯留槽を地下部に設置するなど、整備方針を検討する。雨水貯留施設に貯留した雨水は、雨が止んだ後に幹線へ戻す予定。
雨水貯留施設には一般的に、学校のグラウンドや公園などの敷地を掘り下げて雨水を貯めるもの、駐車場の地下にコンクリートの貯留槽を設置するもの、市道や緑地帯の地下にプレキャスト製の貯留槽を設置するものなど複数の種類がある。秋田市では公共施設の敷地内や市道の地下のほか、民地への整備も検討する。
日水コンが落札した計画策定等業務では、雨水貯留施設に必要な容量(処理能力)や効果的な整備地の検討、概算工事費の算定などを行うほか、桜台から流れてくる雨水で道路冠水が頻発している桜小学校周辺(太平川第三・六排水区)の対策案も検討する。
雨水貯留施設の整備では、7年度以降に実施設計や土質調査、必要に応じた用地取得などを実施する。
提供/秋田建設工業新聞社