荒川の将来を考える協議会は、同河川下流部をより魅力的なものとする「荒川将来像計画」のうち、地区ごとの取り組み内容を定める「地区別計画」改定案を公表した。県内では川口市、戸田市が対象。各地区における荒川周辺の維持管理、賑わい創出といった活用方針を示す。まず改定案への意見を募り、最終的な計画策定につなげる。
荒川将来像計画は長期の展望を打ち出す「全体構想書」、中期の取り組み内容を示した「推進計画」、各自治体ごとの具体的な方針を定める「地区別計画」で構成。そのうち地区別計画については、県内が川口市・戸田市、県外は板橋・北・足立・葛飾・墨田・江東・江戸川の7区に関する計画をそれぞれ策定する。
推進計画の改定を踏まえて「地区別計画」も改定に取り掛かり、今後20〜30年間における川づくりの取り組み、維持管理の方針を地区ごとに打ち出す見通しだ。
地区別計画の改定案によれば、川口市が主に関連するのは「荒川町ブロック」「舟戸・河原町ブロック」の2地区。主な取り組み内容は、川口リバーステーション(川口市舟戸町5)を日常的に活用し防災機能の向上・周知を図る。周辺跡地も含めて一体的な整備を進め、水辺の散策、市民の憩いの場として活用するなどの見通しを示す。
荒川将来像計画の全体では、荒川下流部は主に自然地の適切な保全を図る「自然系ゾーン」、運動施設や公園などに活用する「利用系ゾーン」の2つに大別する考え。
このゾーニングを踏まえ、戸田市を含む「戸田公園ブロック」では地区の土地利用区分を▽土砂仮置き場▽戸田ヶ原自然再生事業▽スポーツグラウンドや園地の利用促進▽エコアップによる水辺の多様性向上――の4区分とした。区域の維持管理・自然度向上を図りつつ、自然地を保全して人が利用する場と生物生存空間を共存させる方針。
提供:埼玉建設新聞