高知県は南海トラフ地震対策推進本部会議を開き、能登半島地震の調査・分析結果や第5期南海トラフ地震対策行動計画の総括、第6期行動計画(25〜27年度)の骨子案について報告した。
会では、能登半島地震の調査・分析結果を踏まえ、自主防災組織の設立、仮設トイレの設置から回収、し尿処理まで含めた供給・運営過程の確認と関係者との調整、避難所の各種設備の整備による質の向上、事前復興計画の未策定の市町村の策定を促進する他、水道施設の耐震化や道路の高盛土点検などの必要性を説明し、新たな取り組みの追加や強化を検討することを報告した。
第5期行動計画の減災効果については、災害目標として2013年度に公表した想定死者数を約4300人まで減らす目標に取り組んだが、24年10月時点で約7600人(暫定値)となった。総括として、目標には届いていないが住宅の耐震化、津波避難タワーなど津波避難空間の整備は目標通り進捗した一方、津波早期避難意識率がスタート時より3%減少したことを報告。今後の方向性として、能登半島地震などの教訓を踏まえ、第6期行動計画に「事前の備え」を強化する方針を示した。
第6期行動計画の骨子案については、「命を守る対策」では住宅の安全確保や南海トラフ地震臨時情報への対応強化、「命をつなぐ」対策として、災害関連死の防止対策や避難環境の整備、支援・受援態勢の強化、長期浸水域内の確実な避難と迅速な救助・救出、「生活を立ち上げる」対策では、産業の早期事業再開に向けた支援など復旧・復興に向けた取り組みの強化などを重点課題とした。また、共通課題として、四国8の字ネットワークなど道路整備の促進や堤防などを耐震化する三重防護事業、水道の耐震化など災害に強いインフラ整備を加速化させるとともに防災DXを推進する方向性を説明した。
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建通新聞社