国土交通省四国地方整備局の事業評価監視委員会は10月25日、2024年度第2回会合を開き、四国8の字ネットワークの一部を構成する徳島南部自動車道、阿南安芸自動車道、高知東部自動車道の事業再評価について一体的な審議を行った。同局が「継続」としていた25年度以降の対応方針を妥当とした。
徳島南部自動車道のうち四国横断自動車道の阿南〜徳島東間では、23年度の前回評価との比較で物価上昇により事業費が11億円増加し、2045億円となった。これに加え、徳島市大原地区のトンネルや切土工事を計画している区間で、地質や地形状況、周辺状況を踏まえ、地質解析や対策工法について検討を行う予定となっており、さらに事業費が増える可能性がある。
阿南安芸道路の海部野根道路では、23年度の前回評価から物価上昇により事業費が22億円増え、762億円となった。さらに海陽町多良地区で古墳が確認されたことから、徳島県より道路計画変更の申し出があった。これを踏まえ、海部インターチェンジ(IC)ランプ部の計画見直しを行う予定で、さらに事業費が増える可能性がある。
また桑野道路、福井道路でも物価上昇に伴い事業費が増加した。桑野道路では21年度の前回評価より78億円増加し508億円となった。福井道路では21年度の前回評価より71・5億円増加したものの、函渠工の構造を変更したことにより0・5億円のコスト縮減に努め、事業費は456億円となった。
事業の投資効果では、徳島ジャンクション(JCT)〜高知JCTの一体評価区間全体の費用便益比(B/C)が1・1。路線別に見ると、四国横断自動車道(阿南〜徳島東)が1・6、桑野道路が1・9、福井道路が0・7、海部野根道路が0・3だった。
審議では、今後事業費増の可能性がある海部ICのランプ部などについて意見や質問があったものの、徳島・高知両県知事をはじめとする地方公共団体から事業進捗に向けた積極的な要望活動が続けられていることなどを踏まえ、継続を妥当とした。
提供:
建通新聞社