日本工業経済新聞社(群馬)
2024/11/05
【群馬】追分地区の水路布設替え工事、25年度も継続
県利根沼田農業事務所農村整備課は、農村地域防災減災事業として昭和村糸井地内の追分地区で進めている水路布設替え工事について、2025年度も事業の進捗を図るため準備を進めている。現段階では、国に予算の要求を行ったところ。総事業費は10億7800万円と概算している。設計は藤和航測(前橋市)が担当した。
整備を行う追分地区は、利根沼田望郷ラインの昭和村総合運動公園付近の南東側に広がる農地。赤城北ろく用水から農業用水の供給を受ける地域のひとつで、既設の石綿セメント管が布設から約60年近くが経過したことで劣化がみられており、漏水が頻繁に発生している状況。漏水によって畑の表土が流失や陥没するといった営農への影響や、石綿管が破損した際に発生する石綿粉塵の飛散による農業者などへの健康被害を未然に防止するため、大規模な布設替えを計画している。
同地区の事業範囲は144ha。既設の石綿セメント管を撤去し、塩化ビニル管を新設する。石綿管撤去の総延長は16・3q、新設する管路はφ75o〜400oで、延長は18・9q。このうち幹線水路は延長2・9q、支線水路は延長16qとなっている。27年度の完了予定で事業を進める。
初弾工事となった24年度には、事業費として23年度補正予算も含めて1億7756万円を確保し、旧管の撤去工延長0・8kmと、水路新設工延長4・0kmを3工区に分けて発注し、萬屋建設(沼田市)と沼田土建(沼田市)、石坂建設(昭和村)が受注し施工を進めている。
25年度は、幹線水路に設置する5カ所の減圧水槽の整備と、水槽周辺の幹線水路の新設1・0qを予定している。
追分地区では、ホウレンソウ、レタス、コマツナ、こんにゃくの栽培が盛んで、整備を行うことで農業者等の健康被害の未然防止と農業生産の安定を図る。
赤城北ろく土地改良区関係で行っている農村地域防災減災事業は、事業範囲171haの赤城原地区、同188haの北ろく赤谷地区に続いて追分地区で3地区目となる。このほか、事業範囲48haの松之木平地区、事業範囲が合わせて74haの東中野・二本松地区の布設替えを計画している。
松之木平地区は、工事計画として既存のφ75o〜200oの石綿セメント管、総延長6・3kmを撤去し、φ75〜250oの塩化ビニル管、総延長7・0kmに布設替えするもの。24年度に事業採択となり、25年度から工事着手出来るよう予算要求をしている段階。25年度は、幹線水路0・9kmと支線水路1・0qを予定している。
東中野・二本松地区は25年度事業採択に向けた手続きを行っており、工事計画としてφ75o〜250oの石綿セメント管、総延長9・9km(東中野6・1km、二本松3・8km)を撤去し、φ75〜250oの塩化ビニル管、総延長13・1km(東中野7・7km、二本松5・4km)に布設替えを行う予定。予算が付けば25年度は、測量設計業務を計画している。東中野・二本松地区で全地区採択となる。
なお、北ろく赤谷地区は24年度施工分で完了予定。