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北陸工業新聞社
2024/11/01

【新潟】加賀田組/省人化、作業効率化を検証/大河津でドローン飛行デモ

 加賀田組(新潟市中央区万代4丁目5番15号 市村稿代表取締役社長)は10月29日、無人・遠隔操縦・全天候型ドローンドックシステムの現場運用における自動離着陸・自動飛行、収集データの即時共有などを実証するため、公開デモンストレーションを開いた。
 この日は、北陸地方整備局信濃川河川事務所が発注し、加賀田組が施工する燕市渡部地先「大河津分水路 渡部地区低水路掘削および護岸その5工事」現場を飛行エリア、現場事務所(燕市渡部字山ノ脇)をドローンの離発着位置、燕市分水公民館(燕市分水新町)を運航指令室にデモンストレーションを行った。システムはDJI JAPAN社製の「DJI DOCK2」と「DJI FLIGHT HUB2」を使用。DOCK2は機体を無人・自動で運用する簡易常設型のドローンドッグ。自動充電で遠隔運用され、高いIP保護等級により過酷な環境でも耐えうる仕様となっている。また、風速計等により飛行可否を判断できる安全機能を備えている。一方、HUB2はクラウドサービス(アマゾンAWS)で提供。サービスに登録されたDOCK2とドローンは遠隔運用され、パソコンやスマートフォンでもモニタリングでき、取得した画像の遠隔回収および共有が可能。情報収集の即時性や共有が求められるシーンで効果的であり、省人化と効率性の両立、労災リスク低減、技術者に依存しない技術品質の平準化等が見込まれる。
 大河津分水路は2022年に通水100年を迎え、現在も「令和の大改修」として工事が継続中で、課題解決のために様々な建設DX(デジタルトランスフォーメーション)の取り組みが試行されている。大河津分水路工事における「現場に作業員は立ち入らない」「遠隔からいつでも天候に関係なくドローンを自動飛行させる」「ドローンが収集した情報は即時共有される」という初の試みは、発注者の北陸地方整備局も大きな期待を寄せている。
 運航指令室がある燕市分水公民館には信濃川河川事務所や工事関係者ら約30人が見学に訪れた。参加者はデモンストレーションシステムの概要説明を受けた後、ドローンによる自動飛行デモの様子を見学した。加賀田組DX推進室長兼建設本部技術企画部長の高橋博弥氏は「このシステムを実感していただき、建設業における諸課題の解決に役立ててほしい」と期待を寄せ、信濃川河川事務所大河津出張所の土屋純也所長は「作業の負担軽減につながるだけでなく、若い方にも建設業に魅力を持って働ける環境づくりを目指していきたい」と語った。
 なお、公開デモンストレーションの企画運営は金井度量衡(DJI ENTERPRISE特約店)、NSi真岡(DJI代理店)とDJI JAPANが技術協力した。全国建設産業団体連合会UAVマネージャーの安田晃昭氏(安田測量・AIC)がアドバイザーを務めた。

hokuriku