曙建設(長岡市干場2丁目17番9号 佐藤勝敏代表取締役社長)は24日、北陸地方整備局信濃川河川事務所発注の燕市新堀地先他「大河津分水路掘削土処理(分水西部地区)その8他工事」現場で試行運用している「AI(人工知能)を活用したダンプトラックの誘導システム」の説明・見学会を開いた。
生産性向上チャレンジ工事となり、大河津分水路の拡幅により発生する土砂および河道掘削土を低地状態となっている農地の盤上げに受け入れるもの。今年度は分水西部地区でダンプトラックが1日当たり概ね800―1200台と増大することから、混雑緩和と円滑な土砂の受入れ体制構築などを図るため、システム機器開発・警備業務のプレステージ・ワン(新潟市中央区愛宕3丁目 山本建治代表取締役)と共同開発した。
この日は信濃川河川事務所職員や他工区の工事関係者ら約30人が参加。まず、大河津出張所で現場代理人を務める曙建設の草場克彦取締役土木部長がシステムを試行運用した目的、プレステージ・ワンの冨田雅文取締役業務部長がシステム概要を説明した。それによると、土質判別する車両積載用AIカメラと車両識別するナンバー用カメラ、判別後の行先表示、車両退出などはアマゾンのクラウドシステムAWS(Amazon Web Services)で一括管理され、映像は現場事務所にリアルタイムに配信される。積載土質は現場入口ルート脇に設置された積載物監視カメラで判別し、砂質土と粘土を積んだ車両はLED明示、生コン車等の他車両はLED非表示で運転手に知らせて行き先を誘導し、人員削減につなげる。なお、AIによるダンプトラック運行管理と積載土砂の土質判定を両立させる取り組みは国内初になるという。
引き続き、参加者は現場に移動。監視カメラでダンプトラックの積載物を撮影してLED電光板に適正な判別結果が表示される様子などを見学した。車両が2台続いて通過する時や一定速度を超えて通過した場合などで適否が正常に判別されない場面も見られた。
曙建設の吉原靖広常務取締役は「試行運用で得られた検証結果をブラッシュアップし、実用化につなげていきたい」と期待を寄せていた。