建設新聞社
2024/10/31
【東北・宮城】敷地売却制度を東北で初活用/仙台市二日町のカルコスビル建替
仙台市中心部に建ち、老朽化などが懸念されているカルコスビルを巡って、カルコスビルマンション敷地売却組合(仙台市青葉区二日町13の22 須藤圭一理事長)が東北地方で初めて実施する「マンションの建替え等の円滑化に関する法律」に基づいた敷地売却事業に際し、大和ハウス工業は30日付で買受人として引き受けた。今後、12月に既存建物解体工事に着手し、2025年から新たなマンション建築工事に着工。28年に完成を予定している。
敷地売却事業は、耐震性不足などで特定要除却認定を受けた分譲マンションの区分所有者がマンション敷地売却組合を設立し、デベロッパーなど買受人に建物と敷地を売却。買受人が取得したマンションを除却する「敷地売却制度」を活用した事業。
1975年に竣工したカルコスビルは、地下鉄南北線北四番丁駅から徒歩1分で、勾当台通(県道仙台泉線)と北四番丁通りの交差点南西角となる仙台市青葉区二日町13の22地内に建つ。敷地面積は934平方b。構造規模はSRC造地下1階地上10階建て、延べ6394平方b。総戸数は50戸で、住戸28戸、店舗や飲食店など22区画となっている。
東日本大震災の後、老朽化や耐震性への不安、外壁の剥落など多くの課題が生じた。このためカルコスビル管理組合は検討を重ね、2023年2月に大和ハウス工業を事業協力者に選定。同年5月に買受計画を仙台市が(同市で初めて)認定し、同年7月に敷地売却決議が可決。同年8月には国土交通省が20年度から始めた支援制度「マンションストック長寿命化等モデル事業・先導的再生モデルタイプ(建替工事支援)」に採択された。その後、同年11月にマンション敷地売却組合が設立(設立時の組合員数は26人)。今月に分配金取得計画が認可され、30日付で土地建物の引受が完了した。
なお、大和ハウス工業は円滑化法によるマンション建替事業として16年に竣工したさいたま市の「プレミスト大宮氷川参道」など複数の実績がある。
提供:建設新聞社