公共工事における諸課題の改善を目指し、(一社)千葉県建設業協会、関東地方整備局、県、千葉市による意見交換会が30日、千葉市内のTKPガーデンシティ千葉3階「シンフォニアA」で行われた。あいさつに立った石井良典・千葉県建設業協会会長(石井工業梶jは、1月に発生した能登半島地震に言及。「半島という共通する地理的特性を踏まえると、他人事ではない」との見解を示し、「『地域の守り手』としての重責を担わざるを得ない状況の中、担い手不足などへの課題改善に、発注者と『一枚岩』となって取り組むことが必要」と力を込めた。
岩ア福久・関東地方整備局長は、9月に発生した市原市内の国道16号における道路陥没の迅速な復旧への尽力などを評価。「担い手確保や業界の魅力向上に向け、しっかりと取り組んでいく」と話したほか、DXの活用やICT施工の推進などに対する理解と協力を求めた。
四童子隆・県県土整備部長は「災害時のみならず、訓練など平時の備えや、鳥インフルエンザ発生時の防疫活動など多岐にわたる協力に感謝している」とし、「より良い県土整備を行うに当たり、適切な工期設定などについて意見交換を行い、一層の連携を進めていきたい」と期待を寄せた。
協会は、国・県などに対する要望・陳情、地震・風水害など災害への対応、広報といった活動を紹介。
また、意見交換のテーマとして▽調査基準価格および最低制限価格=最低制限価格の引き上げ▽直轄工事の予定価格に対する等級の区分=各等級の基準となっている予定価格の引き上げ▽直轄工事の発注条件の緩和=Cランク発注案件における施工実績の緩和▽適正な工期の確保=市町村に対する週休2日制などの労働施策の浸透――を提案・要望した。
そのほか、現場トイレの改善などについても要望した。
これに対し、整備局は、低入札価格調査基準の設定範囲および計算式の係数のさらなる引き上げに関する要望を本省に伝達すると応じた。
また、事業量の確保に努めるとともに、予定価格に対する等級の区分の見直しについての意見を本省に伝達するとした。
発注条件の緩和の要望に対しては、地域の実情や工事の特性を踏まえ、「自治体実績チャレンジ型」「企業能力評価型」の採用や、資格要件などを適切に設定していくと述べた。
適正な工期の確保に向けては、発注者協議会、地方ブロック土木部長等会議などあらゆるチャンネルを通じて自治体と共有し、週休2日の拡大に努めると回答した。